昨日の1回目で隣にいたおばあちゃんが、1部ではぐっすりお休みになられていたのに、
2部では目ギンギンで前乗り出すくらいに舞台を見ておりました。
体は正直だ。
さて、昨日土曜日は、昼夜2回観劇。
今回は、2部の感想を。
後程、土曜日観劇分の1部や2部の細かい部分を記事にしようと思う。
「1部のインパクトが強かったからか、2部はあまり印象に残らなかった。
今回1回観ただけでは曲があまり印象に残らなかった。
ゴスペル調の曲がうっすらと、「連れてって~~♪」という歌詞が思い浮かぶくらいか。
好みの曲はあったのだが・・・
でも、劇団員の皆さんはパワフルで元気で勢いがある。
美しく、エネルギッシュな踊りが観られる。
劇団員の皆さんが魅力的に輝いていることは、嬉しく感じる」
・・・・とか1回目観終わった後に書いていた。
そして、1回目観終わった後に書いた感想は、辛口なところもあったのだが、
今日観てかなり印象が変わったところもある。
なので、今回の2部記録は1回目+2回目+3回目÷3な内容です。
第二部
ミレニアム・ドリーム
作・演出 山村 若
何回もNHKの『ふるさと一番』のネタを挙げてしまって申し訳ないのだが、
あの番組内で南座の奥行きのことについて話していた。
確か、客席の奥行きが、舞台の奥行きと同じくらいということだったと思うのだが。
番組でも取り上げられた舞台の奥の広さ。
でも、番組でわざわざその紹介があったにも関わらず、
その広さがあまり活かされていなかった舞台内容だったと思う。
大道具の配置や出し入れのための広いスペースのことを言っていたのであれば、
確かに活かされていたのかもしれないが。
私が言いたいのは、階段のこと。
最初に舞台後方に階段が出ていて、それが次の場面でも出ていたので、
「まさか、これからずっと階段が出っ放しってことはないよねー(笑)」
と思っていたら、そのまさか。
ほぼずっと出ているし。
階段がなかったのって、階段前に幕が下りている時と、階段が後ろに回されていた
プレスリーオンステージのところくらいかな。
階段が嫌いとか、そういうことではない。
階段がずっとほとんどの場面で出ているために、後ろ半分が階段のスペースに
取られていて、群舞が繰り広げられるスペースが狭い印象だ。
例えば、第3章の『VIVA』。ラテンの場面。
ここは、階段の前に幕が下りてくるため、舞台前の半分かそれ以下くらいのスペースで
全員でラテンを踊っていることになる。
せっかく、ラテンを激しく踊っても、狭い空間に密集している雰囲気があって、
ややダイナミックさに欠ける。開放感があまりない。
(前の方の座席では、あまりそのように感じないかもしれないが。)
OSKのダンスの魅力って、広い空間で思いっきりみんなで群舞やらデュエットやらを
踊りまくるところにあると思うので、階段置いて空間を狭くするのはあまり気に入らない。
そして、もう一つ。
公演を2回観たことで、階段を出しっ放しにする意図と演出家の思いは伝わってきたし、
階段の使い方も演出家なりに工夫していて、なかなか面白いと感じるところはあった。
例えば、フィナーレナンバーで階段に赤い布が掛けられていたり、階段上での動きや
ゴスペルでの階段配置を工夫していたり等・・・
しかし、やはり階段がずっとあり続けることで、舞台全体の絵柄が固定化してしまうし、
変化が欲しい。
小劇場の芝居を観に来たわけではなく、レビューなのだから。
階段は、舞台の床と違って立つための空間というだけでなく、
背景的な役割も持っているので、ずっと出しっ放しにするのであれば、
もっと全体の変化が求められると思う。
階段があるけれど、ちょっと全体的に寂しい舞台だなぁというのが、私の印象。
そして、階段があることでOSKにはあまり合っていないような構成、場面が出来上がった
という印象を抱いた。
これは、私の好みの問題もあるかもしれないが。
とはいえ、山村先生の演出や工夫には、なかなか魅力を感じるところがあるので
また別の洋舞ショーを作ってもらってもいいのではないか。
それにしても、
OSKの階段って、舞台を圧倒するような、階段の上での踊りを魅力的にするような
魔力がやや欠けている。
これは宝塚を観慣れているというのが原因だとは思うが。
宝塚では階段で繰り広げられる群舞の陣形の美しさや、高い空間での神秘的な踊りの
雰囲気があるからこそ、大階段での場面が魅力的で重宝されている。
高さと段の多さが、空間的な魅力を作り出しているのだ。
だから、ポーズしているだけで、移動しているだけで、全てがより一層魅力的に見える。
一方のOSKは、高さも段もそこまでないので、階段を出しただけでは
圧倒的な魅力は出ない。
だから、階段で移動やポーズをして、いろんな位置にいる劇団員さんたちが
それぞれの美しさを醸し出しても、陣形のバリエーションが富んでいないこともあり、
それが全体的な魅力に繋がっていないように感じる。
(今回はまだ今までの中では段や高さがあったような気がする(・・・多分)ので、
今まで観た中では階段の魅力が一番出ていたとは思うのだが。)
逆に言えば、この階段をどれだけ活かせるかで、新たなOSKの魅力が出てくるはず。
上から下への移動や、いろんな高さでの劇団員のポーズを見せるだけじゃなく、
積極的な動き、踊りもどんどん取り入れてほしい。
それが、OSKらしいと思うし、中階段でのポーズや移動だけでは
圧倒的な舞台の美しさは出せない。
劇団員たちの魅力的な動きで、階段場面をもっと素敵なものにできるはずなのだ。
今回のショーの第5章『フィナーレB』の階段での男役群舞のような、
素敵な階段の使い方・工夫を、これからも期待したい。
2部で全体的に気になったのは、その階段や舞台の構成。
あと、やや歌に重きを置いた内容という印象を抱いたが、如何だろうか。
パワフルに切れ味鋭く踊る場面がもう少し欲しかった。
場面ごとの出来にムラはあるが、それでも明るくてパワフルな場面は劇団員さんたちの
強い思いが伝わってきて、とことん楽しませてもらった。
●第1章 プロローグA
プロローグB
幕が開く前の前奏は、1部のテーマソング。
だけど、スポットライトが当たってからは別の曲になった。
このまま1部のテーマソングの中でのプロローグだったら、1部プロローグと
一緒になっちゃうしね。
「ミレニアムドリーム 踊りだそうー♪」(歌いだそう?)
1回目ではあまり印象に残らなかったが、爽やかなテーマソングで聴けば聴く程
味が出る。
みんな白い衣装の中、桜花さんは濃いピンク色で、長めの上着の裾がヒラヒラと
薄い生地という感じで、素敵な衣装。
この濃~~いピンク色というのは、桜花さんにとても似合っている。
プロローグの流れは大体今年の春のおどりと一緒。
全員での群舞が終わった後、桜花さんを残して全員はける。
そして、桜花さんが幕前で一人で歌う。プロローグB。
この歌が、春のおどりのギラギラした曲とは違って、しっとりとしたバラード曲だった。
曲は悪くないし、桜花さんも気持ち良さそうに歌っているのだが、
この後の場面もしっとりとした悲しげな雰囲気の音楽が使われるので、
ここはノリのいい軽快な曲でも良かったのではないだろうか。
それにしても、桜花さんは春のおどりと比べると断然濃くなったな。
たくさん歌えるから、気持ちいいのかな。
あと、高世・折原コンビで踊っていたのが、なかなか新鮮だった。
表情がお互い柔らかくて、微笑みあう様子が可愛らしくて、素敵なコンビだった。
●第2章 DEEP IN LOVE A・B・C
まず、Aの場面では朝香人魚たちのいる水の中に、アドルフという
青年騎士さん(高世)がやってきて、朝香人魚と愛し合い「連れて行って~」と
頼まれるものの、結局周りの人魚さんたちに邪魔されたからか、二人は離れ離れになる。
Bの場面では、盗賊たちとそのボス(?)ローレンス(桜花)のいるところに、
突然砂漠の女神ことりちゃんがやってきて、二人は愛し合い、女神に「連れて行って~」と
頼まれるものの、結局別の世界に住んでいるからか、二人も離れ離れになる。
そしてCの場面は、アドルフがスッポンから再登場し、人魚たちや女神、盗賊たちは
階段のところで集合し、舞台前方にいるアドルフとローレンスを見つめる中、薄幕が
下りていく。(この人たちは、アドルフとローレンスの回想ということなのか?)
その幕の前で、アドルフとローレンスは永久の夢、永久の愛を歌う。
そして、二人はそれぞれの道の先へ去っていく。
という流れになるのかな。
アドルフと人魚が結ばれないというのは、見ていて何となくわかるんだけど、
ローレンスと砂漠の女神が結ばれなかったのは、よくわからなかった。
何となく離れていったという感じで・・・。
結局、自然消滅?
昨年の武生では、女神と兵士が結ばれたっていうのにねぇ。
それにしても、恋愛に対して消極的な連中だと思う。
せっかく愛し合って盛り上がっているのに、あっさり切り離されちゃったり、
自然消滅したり。
そもそも「連れて行って~♪」というのが、受身だな。
リトルマーメイドのアリエルのように「人間になりたいっ!!地上に行くの!!」って
自分から積極的になって、どんどん動かないと。
まぁ、双方それが困難な環境にいたから無理だったのかもしれないが。
なんせ、人と人でないものとの恋だからね。
深く愛し合っていたものの、種族や住む世界が違うから、離れざるを得なかった。
だから、アドルフとローレンスは別れた後も、深く彼女たちを愛し続けているのだろう。
『DEEP IN LOVE』
高世さんが登場した時、
騎士キターーーーーーーー!!!!
と、一人勝手に燃えていた。軍服最高。
高世さんの歌声が、すごく透き通っていて切なくて甘くて、情感こもっていて
非常に良かった。 毎度書いていることではあるが、やはりいい声だ。
そして、高世さんと朝香さんコンビは、やはり合っている。
あと、折原さんの人魚が手をゆらゆらさせながら移動する時、ちょっと足がぴょこぴょこ
なっているのが、とても可愛くてツボヒット。
盗賊隊の皆さんは、とてもかっこいいし、いろんな髪型で面白い。
蒼音さんは、前髪が長めで流行の鬼太郎ヘアーのような感じで、かなりかっこ良かった。
虹架さんは、長髪を上で結っていて素敵なのだが、最初見た時は女盗賊かと思った。
蓮くんの表情が、かなりダークな雰囲気で色っぽくて良かった。
砂漠の女神のことりさんは、黒くて長い髪が魅力的だが、髪の量がかなり多そう。
私も髪の量が多いので、他人事に思えない。
まとめるの、大変だろうなぁ・・・(遠い目)
あと、ヘソの周りの綺麗な宝石のような飾りが美しい。
舞台でのヘソ出しは、久しぶりに見たような気がする。
今は、普通に街を歩いている方が、露出度高い人をよく見かけるしなぁ。
振りつけでは、桜花さんがスッポン辺りまで来た時にする手で床をバンと叩く振り
(略して手バン)が、振りのアクセントになっていて、良かった。
その後の盗賊さんたちの鋭い眼差しもかっこいい。
・・・手バンは、手が痛くないのかな。
最後、それぞれ上手下手の花道に去っていくアドルフとローレンスの姿が、
とても切ない。
●第3章 VIVA A・B
鉾の模様のライトが幕に浮かび上がり、祭囃子の音が聞こえる中、
町男の緋波さんと貴城さんが、サンバの衣装の上に浴衣を羽織った姿で登場。
そして、途中からチェリーガールズが合流して、祭囃子の中を踊る。
1回目観終わった後、そういえばチェリーガールズの場面なかったなーと
思っていたのだが、パンフレットを改めて見直すと、この場面のキャストに
「チェリーガールズ」と書いてあるではないか。
全く気づかなかったので、驚いた。
中心に立っていた春咲さんの存在がなかったからというのも、
理由の一つにあるのかな・・・
今回は、今までのチェリーガールズの活躍からすると、かなり控えめな出演だった。
緋波さんと貴城さんのバックダンサーだもの。
でも、チェリーガールズのファイルはばっちり売店に売ってあったケドネ。
町男の二人は、客席中央から登場してきて、花道を回っていろんなお客さんに
手を振り、愛嬌を振りまきながら、フリートーク。
(余談:ちなみに、「愛想を振りまく」は間違った使い方。よく間違えるわ・・・)
二人が明るく楽しく話すのはいいのだが、
ダラダラとした雰囲気になってしまいがちなのが気になった。
ちょっと長いかな。フリーダムすぎる。 武生に来たかのような感覚を覚えた。
ちょっとした、次の場面に関わってくるような内容の面白い小芝居などであれば、
次の場面に向けてのいい盛り上がりになると思うし、レビューの雰囲気をブチっと切らずに
済むのだが。
あと、「盛り上がっていますかー!」などと無理やり客席を沸かせるのも・・・ちょっと苦手。
ライブじゃないんだから。
でも、桟敷席の時に貴城さんに手を振ってもらって、テンション上がった人が
ここに約1名いますけどネ★
ここの踊りの振りは、日本+インドという感じの雰囲気で、観ていて面白かった。
VIVAのBの場面では、まず浴衣を脱ぎ捨てた緋波さんと貴城さん、チェリーガールズが
みんなと踊り歌い、次に桐生さん、高世さん、朝香さん、桜花さんと
歌い踊り継がれていく。
「サンバ、サンバッ!!!」と元気に掛け声掛けながら踊る姿が、とてもパワフルでいい。
帰り道で、「サンバ、サンバッ!!」と叫びたくなってしまうくらい、このサンバには
元気をもらう。
途中、静かでムーディな音楽になり、水無月さんが歌う中、桜花さんと朝香さんが
色っぽく踊る。
水無月さんの歌い方が、また情熱的で色っぽくて・・・
それが、温かい歌声に乗せられて優しく熱い南国の風のように流れていく。
本当に、素敵すぎる。
途中から、高世・ことりコンビと桐生・折原コンビが合流。
桐生・折原コンビは、温かいラブラブな雰囲気が漂っていて、魅力的。
高世・ことりコンビは、すんごい熱く激しい色っぽさがぶつかり合っていて、キケンな感じ。
その後、一気にスピーディな音楽に変わり、男役の群舞になる。
ここの振りは、今まで観たサンバ場面の中でも、かなり最高級にかっこいいのでは
ないかと思うくらいに、すごく素敵だ。
熱い。激しい。動きが鋭い。色気がある。
特に、桜花さんと高世さんがムンムンに熱い。
高世さんは、目力が凄くあって、かなり攻撃的で挑発的。
特に、土曜日の1回目の高世さんは、足をちょっと横に広げて曲げた姿勢で手を
上半身から足のもも辺りまで撫で下ろすような振りのところで、
上から見下げるような目線が怖いくらいに色気が帯びていて攻撃的で、
私は座席の関係で、ちょうど真ん前から見下げられた形になってしまい、挙動不審。
危 険 す ぎ た ・ ・ ・ 。
また、ここの場面では、足で舞台床をバンっと踏み鳴らす振り(略して足バン)がある。
手バンに続いて、これもまた振りのアクセントになっている。
舞台を踏み鳴らしたりする時に出る音って、硬い中に少し柔らかい音を
感じさせるような音で、耳に入ると心地良い。
この音が、切れ味鋭い雰囲気を作ってくれるから、大好きだ。
みんなの息がピッタリ合っていて、音がばっちり重なっているというのも、
更にその雰囲気を高めてくれる。
そして、最初の曲「サンバ、サンバッ!!!」に戻り、両花道と客席でも
劇団員さんたちが歌い踊る。
熱い!!素敵だ!!
これだけ素敵な振りや音楽、展開なので、
やはり、もうちょっと舞台が広く使えたら、もっと良かっただろうにと思ってしまう。
あと、この場面の背景幕の模様が、ちょっと謎。
紫色の妖しい雰囲気の嵐の雲のようなまだら模様に、星のような光がいくつか
描かれている絵。
この場面に合っているかなぁ・・・?
●第4章 GOD BLESSING A・B
サンバが終わると、その音楽や掛け声の余韻が残りつつ、
盆が回って階段が後ろへ行く。
階段の一番高いところが舞台前方に来て、高いお立ち台のようになり、
1本のマイクスタンドが置かれている。
そして、Aの場面。
別名:
プレスリー・オン・ステージ☆(プレスリー降臨祭)
ということで、桐生プレスリーが登場。
熱く激しく、所狭しと上手下手と移動しながら、マイク振り回しながら、歌う。
流石です。
全く、何の違和感もありません。
死神といい、プレスリーといい、こういう彫りの深い男性はお手の物ですね。
女性の「じ」の字も感じさせません。
そして、その相方を務めるのは、マリリンモンローならぬ、蒼リンジュンロー・蒼音さん。
スタイルいいのに、動きが妙にクネっていて、妖しさ大暴走。
その動きに翻弄され、圧倒されて「うををぉっ;」と焦る桐生プレスリーの姿が笑える。
蒼音さんは、本当に美味しいなぁ。
最後、「てんきゅ~~~~♪」と色っぽく言う声と姿が可愛らしい。
その後、スカートに仕込んだテグスを引いて、マリリンお約束のスカートめくり・・・
(こうやって書くと、昔なつかしの小学生スカートめくりみたいだ!!爆)
じゃなくて、スカートひらり(笑)が繰り広げられるのだが・・・
なんせ、尻の上のスカートが持ち上がるという仕掛けなので、前からだとわかりにくい。
だからと言って、
後ろを向いてそんなことをされては、刺激的すぎてもっと困るのだが(滝汗)
まぁ、ここはご愛嬌ということで。
そういえば、蒼リンの目の下にマリリンお約束のほくろがついていた。
先週は、ついていなかったような気がするのだが・・・
そして、Bの場面。
ここ、Aの場面もそうだが、盆の使い方が上手い。
プレスリーの舞台だったのに、静かなオルゴール調の音楽と共に盆が回ると
階段のところにひっそりと劇団員さんたちが数人いて、
ステンドグラスのチャペルの背景が後ろに飾られ、一気に神聖な雰囲気になる。
そして、ゴスペルの雰囲気に。
ここの場面は、1回目観た時はあまり好きではなく、乗り切れなかった。
だってねぇ・・・
「・・・コレ、宝塚の『明日へのエナジー』やん!!」
て思っちゃったのだ。
雰囲気から歌から衣装から、全てが似ていたから。
『明日へのエナジー』は好きだったんだけれども、ちょっとクサすぎることもあり、
お腹いっぱいごちそうさまーという感じだった。
星組の安蘭さんトップで、博多座でもされたしね。
素晴らしい場面ではあるのだが、私が今求めているのはこういうのではない。
私は、宝塚の綺麗なクサさをOSKに求めていない!!
それをOSKにやられちゃったので、かなり複雑に私の心は揺れ動いた(爆)
あと、こういう歌で押しまくる場面ってOSKにはあまり合っていないような気がしたから。
それでも、2回目観ると劇団員さんたちのパワーが更に集結していたし、曲もいいので
1回目の時よりもかなり好感度が上がった。
「愛を~信じて~~♪」
みんなで歌うメロディが、心に残っている。
こういう場面は、みんなの力が一つになった感じで、
舞台客席双方の空気が一緒になって震えているかのような印象を抱く。
そして、中心で思いを歌に乗せて爆発させる桜花さん。
この人の幸せそうな顔を見ると、こちらも幸せな気持ちになる。
結局、あまり好きではない場面のはずだったのに、劇団員さんみんなから
元気をもらっていたようだ。
劇団員さんみんなのパワーがたくさん伝わってくる、素敵な場面ではある。
・・・まだ、素直に好きになりきれない自分もいるのだけれどね;
踊りがもっとあれば、好きになっていたのかな。
あと、水無月さんの超絶ソロが欲しかった。
また、ごちゃごちゃと歌いすぎなのか、上手で数人がメインになって
ハモって歌うところが、よく聴こえなかったことも、残念。
貴城さんとくるみさん、めいちゃんのところも、うまく歌えているはずなのに、
綺麗に聴こえなかったかな。
水無月さんと折原さんとことりちゃんとかで、メインのハモりをやってほしかったな。
●第5章 フィナーレ A・B・C・D・E
A~E、デュエットやパレードと、フィナーレ長いな!!
でも、飽きることない充実した内容だったけどね。
それぞれ、分けて振り返りましょう。
ちなみに、フィナーレA~Eまで、京都にまつわる曲が使われている。
あ、Dは違うかな?
・フィナーレ A
オレンジ色と黒色のスカートにヒラヒラがたくさんついている衣装を着た
ことりちゃんが一人下手側に佇んでいる。
ことりちゃんメインかと思いきや、ここにこころちゃんや恋羽さん、瀬乃さんが加わる。
そして、水無月さん。
歌うのは、『女ひとり』(デューク・エイセス)のジャズ風アレンジバージョン。
「京都大原三千院 恋に疲れた女が一人」
と、本当に優しく歌い上げる。
心温まる、とても素晴らしい歌だった。
今、パンフレット読んで、初めてここの場面もチェリーガールズだったのだと気づく。
だって、チェリーガールズっていうのを全然主張しないんだもの・・・(涙)
そして、スカートを脱ぎ捨てて来たお約束なチェリーガールズも加わり、ロケットの場面。
ここは、前回の春のおどりとは違って、本当に綺麗に揃った素晴らしいロケットだった。
やはり、上級生が入っていると、ここまでピシっと決まるものなのか。
最初の方で、中心に立っている折原さんが、小キャイ~ン等の可愛らしい振りと共に
表情もコロコロ変えて嬉しそうに踊っている姿が、観ていて幸せな気持ちになれる。
それにしても、ロケットガールSにことりちゃんって書かれているけど、
こころちゃんが中心にいたような気がするのは私の気のせいか。
あ、そういえば、ことりちゃんが中心で元気に踊っていたっけ。
・フィナーレ B
ここの展開は、最高にかっこ良すぎる。 気持ちが良いくらいにビシっと決まる。
スッポンから桜花さんが登場して、舞台中央まで来ると、
後ろに掛かっていた薄いカーテンの中の照明が明るくなり、赤い布が敷かれた階段上で
2番手以下の上級生男役さんたちが、かっこ良くポーズを決めまくる。
そして、カーテンが左右に開き、前に出てきて桜花さんと合流し、
桜花さんが先頭の頂点で、後ろにピラミッド型の並びで、男役の群舞が繰り広げられる。
ここの展開のセンスは、宝塚のオギーこと荻田浩一先生を感じさせられたぞ!!
素晴らしい。
音楽のアレンジも、『京都の恋』(渚ゆう子)をベンチャーズサウンドにアレンジしたもので、
テケテケテケテケなどの軽快なエレキギターがとてもいい味を出していて、非常に良い。
リズミカルで、渋い音楽が、男役さんたちの切れ味鋭い魅力的な踊りに、とても合う。
ちなみに、アレンジは違うけどベンチャーズサウンド化された音楽もyoutubeにあった。
コレ。
群舞が始まるところからは、多分オリジナルの曲になっているんだろうけど、
引き続きエレキギターやエレクトーン(?)などの電子音楽が効いた音楽で、
曲自体もいい。
「風の噂を信じてぇぇー 今日からはぁぁ~~~♪」
と、桜花節で熱く歌えば、それに応えるようにバックの踊りやポーズも渋く熱く決まる。
みんなの思いが重なり、溶け合い、ピタっと一つになっている群舞は、
やはり素晴らしい。
ここは、男役さんたちみんなかっこいい。
また、この場面にも足バン(+クルっとターン)がある。
この振りが、先頭の桜花さんから後ろの列へ順に伝染していく様子も、
非常にかっこ良く、見事に決まっている。
・フィナーレ C
白い衣装の娘役さんたちが、『祇園小唄』のジャズバージョンに合わせて、
お洒落に優しく踊る。
ここは、くるみさんが後ろの階段のところでソロで歌う。
くるみさんは、綺麗な歌声をしていると思う。
前回の春のおどりよりも、断然歌えている。得意な音域なのかな。
くるみさんも踊りの娘役さんたちも一緒にしている、
手をゆらゆらさせながら上から下ろす振りが、とても優しげで美しくて、好きな振りだ。
・フィナーレ D
男Sの桜花さんが下手花道から、真麻さんと楊さんが上手花道から登場。
そして・・・3人でタップダンスをする!!
タップダンスは別にいいんだけれども・・・
そうか。このメンバーか。
真麻さんは器用にこなしていたように感じるが・・・
やるのであれば、タップを上手にこなせそうな人たちに、やって欲しかったかな。
それにしても、桜花さんは本当に本当にめっちゃ楽しそうにタップしていて、
観ていて思わず笑ってしまった。
こんなに表情がコロコロ変わって、幸せそうにタップをする人を、初めて見たよ。
どんどん幸せを周りに振りまいてほしいものだ。
マイクはちゃんと靴に仕掛けてあるのかな。
録音されている音と、生の音が重なってスピーカーから出ているようにも感じたが。
・フィナーレ E
桐生さんが、爽やかに『京都慕情』(ジャズバージョン)を歌う。
そして、その曲に合わせて男役さんたちと娘役さんたちがデュエットや群舞を繰り広げる。
何か・・・この曲、爽やかで明るめの雰囲気なのに、聴いていたら切なくなる。
あの人の姿 懐かしい
黄昏(タソガレ)の 河原町
恋は 恋は 弱い女を
どうして 泣かせるの
苦しめないで ああ責めないで
別れのつらさ 知りながら
あの人の言葉 想い出す
夕焼の高瀬川
遠い日の 愛の残り火が
燃えてる 嵐山
すべて すべてあなたのことが
どうして 消せないの
遠い日は 二度と帰らない
夕やみの東山
遠い日は 二度と帰らない
夕やみの桂川
見事に、別れの曲だ。 これは切ないなぁ。
OSKを去ってしまう水無月さんへ贈られる歌のようにも感じる。
水無月さんへの、オマージュか。
あと、真ん中で幸せそうに踊る桐生さんとことりさんが、素敵。
●デュエット
青いキラキラの衣装に身を包んだ桜花さんと朝香さんが、デュエットをする。
赤い幕がなくなった階段のところで、紫色のキラキラ衣装の高世さんが
二人を優しく見守りながら歌う。
曲も美しく、3人とも美しい。
・パレード
もちろん、水無月さんのエトワールで始まる。
歌の最後がとても高音なのだが、とても優しく綺麗に南座全体に響き渡る。
この人の歌は、聴いていて本当に気持ちが良くなる。
辞めるなんて・・・寂しすぎるな。
桜花さんは、プロローグの衣装のような、濃いピンク色の衣装。
そして、背中には大きな白い羽根。
丸い羽根の真ん中からは、枝垂桜のようにふわふわの羽根が垂れ下がっており、
堂々とそれを背負う桜花さんは、美しかった。
2部は場面ごとにムラはあるけれども、いろんな工夫も感じられて、
劇団員さんたちのパワフルな思いが直球で感じられて、楽しめた。
とにかく、桜花さん。
京都でのお披露目公演、おめでとうございます!!
*******
土曜2回目の客席下りの時に、水無月さんが私の斜め前に座っていた幼児の男の子に
にこやかに手を振っていた。
そのことがとても嬉しかったのか、男の子はその後水無月さんが前に出る度に、
横のお母さんと一緒に手を嬉しそうに振っていた。
温かな水無月さんの心が、男の子にもたくさん伝わったのだろう。
観ている人たちのことをとても温かく見つめて、微笑みかけてくれる水無月さんは、
素晴らしい歌姫であり、OSKのお母さん的存在だったように感じる。
水無月さんの優しい歌声と笑顔は、大切に心に残しておきますね。