1部は、演出家の水口さんが先日の『ふるさと一番』で体現した通りになった。
(記事、
京都南座『ふるさと一番』参照)
歌舞伎の動きと狂言方の合わせ技実践コーナーでの動き。
走って、つまずいて、こける。
ハリキリすぎて暴走して、コケて、乙女ポーズで座り込んで終わった。
皮肉にも、そのような公演内容になってしまったように思う。
第一部
源氏千年夢絵巻 輪舞曲(ロンド) 薫と浮舟
薫の君と匂宮と浮舟のドロドロ三角関係は、観ていてドキドキする。
なんせ、男二人がとてもかっこいい。
桜花さんは清くて凛々しい知的な雰囲気の薫の君を、
高世さんは色っぽくてちょっと危ない雰囲気の匂宮を、それぞれ好演している。
そんな二人が可愛らしい浮舟を挟んで三角関係しちゃうんだから、
ゾクゾクしてしまう。
二人に挟まれる浮舟も、幼い雰囲気が漂いつつも気品があり、男が放っておけないような
魅力に溢れている。
この物語自体は、平安メロドラマという雰囲気があり、なかなか楽しめる内容。
桜花さんと高世さんと朝香さんの3人の美しさとやり取りは、
この公演の一番の見所だと思う。
いろんな人に、この人たちの魅力を味わってもらいたい。
しかし・・・
この1部自体の構成、作り方に非常に様々な問題を感じてしょうがない。
何度も言うようだけれども、
いい加減、洋物で和物をフォローしようとするのは、やめてほしい。
何故、和の要素で舞台を魅力的に作り上げようとしないのか。
和でしか出せない華やかさ、雅な雰囲気があるはずなのに、それを前面に出さずに
代わりに洋で潰している。
今回は、和洋の音楽バランスの悪かったこの前の春のおどりどころではない。
その比にならないくらい、公演全体のバランスが悪くなっている。
2部の構成が、どうやら源氏の君の世界各国バージョンらしいという話は聞いていたが、
1部はその逆で、
世界各国の皆さん&音楽いらっしゃーい★バージョン
だったのかな。
作者のことばを開演前に読んだ時から、今回もまたか・・・と嫌な感じだったのだが。
作者のことば (抜粋)
「王朝の世も今も変わらない、〔愛するということ〕をテーマに、現代を入れ込んだ。
これは、王朝ものは、優雅ではあるが、動きがどうしても少なくなる。
その緩慢さを救うため、レビューの魅力を活かすための工夫である」
だったら、
その物語にしっかりとつながりのある形で、
日舞レビューでカバーしてよ。
日舞で、十分和の美しさ華やかさがカバーできるんじゃないの?
人の心を日舞で表現することで、その時代の人物たちの情熱、愛の切なさや儚さを
私たち観客がより一層感じることができるのではないか。
日舞や歌などで心情を表現することができていれば、いちいち上原紫式部に
薫の君や浮舟の心情を説明してもらう必要もなくなる。
また、果たして洋舞レビューを入れたことで、緩慢さを救うことはできたのか。
その突然の展開、光景に呆気に取られて、目が行くことは確か。
しかし、その洋舞の場面に強制的に飛ばされた後に、再び源氏の世界に戻される
という流れがずっと続くと、戻された後に余計にだれる。
物語の魅力を引き立てるための演出のはずなのに、ただ単に物語の流れを
ぶち切るようなことになっている。
埒が明かないので、とっとと場面ごとに振り返ってみる。
今回は、場面の分け方が前回に比べて細かい。
まぁ、1時間半もあったしね。
●第一場 プロローグ 大舞踏会
桜花さんのアナウンス、「祇園祭で忙しい中、・・・」という始まり方だった。
なかなか洒落ている。
さて、プロローグから一体どんな日舞を見せてくれるのかと思ったら、
ま さ か の 洋 舞 プ ロ ロ ー グ 。
早速、洋舞ですかい!!
この場面のダンスや音楽はいいんだけれども、何だか源氏物語が始まったという感じが
全くしないなぁ。
紳士淑女が踊り、その中で桜花薫の君、高世匂宮、朝香浮舟の3人も美しく踊る。
朝香さんが、二人に挟まれて踊りながら、だんだん切なく苦しげな
表情になっていく様子は、浮舟の心情、後の運命を想像させられる。
高世さんは、銀のキラキラの衣装がとても似合っていた。
この場面、桐生さんの死神もこっそり舞踏会に参加していたら、面白かっただろうに。
踊りながら、浮舟の翻弄される姿を見て、
「・・・・・フッ ( ̄ー ̄) 」
という感じで。
死神は浮舟を死に誘うために、傍で不気味に微笑んでいるみたいな。
ただでさえ、死神さんの場面が少ないんだから。
他の場面でも、こっそりと壁の影から死に向かう女性たちを覗き見るとかさぁ。
|Д`) アイッテ・・・イイヨネ。 デバン・・・モットホシイナ・・・
っじゃなくって(汗)、
|ー ̄) オイデ・・・シノセカイヘ・・・
みたいな。
もっと、こういうところで死神さんを活かしてあげないと。
●第二場 紫式部
昨年の公演での光の君のことや、今回の話の人物の背景や流れを、
紫式部が語る。
●第三場 宇治八の宮邸
大君や中の君が住んでいる八の宮邸に、光の君の次男である
薫の君が現われる。
そこで、薫の君は大君に魅かれ、二人は次第に恋に落ちていくのであった。
折原大君が、この場面からフル稼働。
この方は、美しくておしとやかで優しくて面倒見がいいという、
ベスト・オブ・姉上。
それを、折原さんが見事に好演している。
あと、薫の君を案内する女官の一人(?)をゆいちゃんが演じている。
名前が・・・早・・・ん?コレ、何て読むんだ?わからん。
とにかく、そのゆいちゃんがまた可愛い。
ろれつが若干回っていないのは勿論健在で、そんな調子でぱあっと嬉しそうに
「薫の君しゃまでしゅか~!」とか言われたら、私は頬を赤く染めてしまうぞ。
薫の君も、もしかしたらこっそり萌えていt(以下略)
●第四場 紫式部の部屋
紫式部が、これからの二人の恋が結ばれないことを語る。
・・・というか、この語りはいるのか?
この後の展開を観たら、わかるだろうに・・・
それにしても、上原さんは歌えるなぁ。 声がよく響いていた。
後ろに控えるは、恋羽さん、瀬乃さん、くるみさん、柑奈めいちゃんだったのだが、
どの人もなかなか歌えていた。
その中で、ダントツに歌えていたのは、めいちゃん。
非常に短い2小節くらいの歌だったのだが、それだけでも歌の実力がよくわかった。
春のおどりでもかなり期待株だとは思っていたのだが、
そごう劇場でのめいちゃんを見てから、舞台度胸と実力に非常に感動し、
非常に注目している。
あと、めいちゃんの芸名のネーミングセンスも、妙にツボヒット(笑)
(我が家では私と弟は、トトロのばあちゃんが言うみたいに「めーいちゃぁ~~ん」と呼んで
いたのだが、まさか本当にトトロのめいちゃんから名前をもらっているとは・・・)
●第五場 御所の庭 薫と匂宮
匂宮が、八の宮邸に通っている薫に、
「いい女がいるんだったら、オレも連れてけよ~」としつこく頼み込む。
必ず連れてけーと何回も確認する高世匂宮が、何だか可愛い。
ここでは、二人が両花道から出てきて、両花道に帰っていったと思うのだが、
桟敷席からだと二人の表情の変化、女のことを考えてウキウキしている
高世さんの様子や、しつこく頼まれてちょっとぽかーんと困り顔の桜花さんの
様子が見れて楽しかった。
そして、政(まつりごと)のお仕事で忙しい桜花さんは去っていくのだが・・・
そこで突然、
アタッシュケースを抱えたスーツ男役隊が登場。
ダレですか!!? この方たち!!(゜д゜;)
パンフレットによると、どうやら公卿の皆さんらしい。
確かに、緋波さんは公卿の細長い棒(笏:しゃく)を持っていたけどね。
政の仕事の忙しさを、現代風にアレンジしたものらしい。
皆さん、もの凄くスーツが似合っていて、無駄にかっこ良すぎます。
ヤバイ。私、スーツをピシっと来たかっこいい男の人に凄く弱いんだよな・・・。
こんな風に、着こなされたら・・・惚れるわ。
誰か、このスーツものの洋舞ショー場面を作ってくれ!!
特にかっこよく着こなしているのは、やはり緋波さん。
デキる上司って感じで、よだれがd(自粛)
眼鏡がまた、似合いすぎ。
あとは、要領良くこなそうと頑張って、上司の機嫌を取ろうとしているけいと君。
いいねぇ。中堅って感じで。意外と颯爽としている雰囲気が、いい。
君は、弟にしたいNo.1だよ。
そして、妖気を感じた時の鬼太郎のような、頭のてっぺんの毛が立っているのが、
我らが蒼音さん。
また、この毛がしっかりと、ぶっとく立っているんだよね。
寝癖でこんなに毛が立つって、一体どんな寝方をしているんだ!?
美味しいことを見事にこなしてくれる姿には、アッパレ。
●第六場 大君の部屋
大君と中の君がいる部屋に、薫と匂宮がやってきて、ダブルデート。
そして、部屋に残った薫の君と大君は、お互いに愛し合っていることを確かめるも、
大君は病弱な体や仏門の憧れの理由、また持ち前の引っ込み思案から、
結局薫の愛を拒む。
いつの間にか、匂宮と中の君がくっついていたらしい。
めっちゃイチャイチャしている。
ちくしょーめ。
高世さん、色男っぷりが非常に出ていて、色香がまさに匂い立つよう。
目線が、凄く色っぽい。
私のツボは、何と言ってもこの場面の冒頭部分での姉妹の以下のやり取り。
薫の君からの文を嬉しそうに読んでいる大君。
そこへ、こっそり後ろから近づく中の君。
中の君「・・・・お姉様♪」
大君「――はっ。」
ここの大君が、非常に可愛くて可愛くてもおおおおおお。
びっくりした時のビクっとした「ハッ!!」じゃなくて、薫君のことで頭がいっぱいで、
その夢見心地なところから、幸せな気持ちのままで少し穏やかに現実に戻ってきたという
様子で、もぉーー、この姉さんったら天然なところがまた
かーわーいーいーって感じだ。
あとは、黒い薄幕が下りた後で、薫君との恋が実らぬ悲しみに暮れる大君の姿が、
とても切ない。
●第七場 大君の部屋の前(半年後)
水無月さんと平松さんが・・・
何したっけ?(ヲイ)
大君さんのことを話していたような、そうじゃなかったような・・・
ごめんなさい、また次に観た時に、ここを訂正させてもらいます;
●第八場 大君の部屋
死神に翻弄される大君。
中の君や、後から駆けつけた薫に見守られながら、遂に死の床に伏せってしまう。
ということで、やっと
桐生死神登場。
というか、
まゆげがない!!!
何回も何回もオペラグラスで確認しても、
やはり、まゆげがない!!!!
ひええええええ。 不気味だ、ホラーだ。
役作りスゴイなー!!
というか、コレってトートだよなー。役の雰囲気も、音楽も。
こういうの見ていると、桐生さんのするトートが観てみたくなる。
ちなみに、死神のテーマは
『最後のダンス(By:エリザベート)』+日本のお化け効果音という感じ。
やはり、ここでも和洋の融合が・・・!!
そして、大君が最初は意識が朦朧とした中で死神に翻弄され、途中から我に返って
死神を振り払おうとするが、桐生死神が逃がしてくれるワケもなく、
なす術なく接吻をされて、死の世界行き。
薫君
と私「大君ぃ~~~~~~(TдT)」
悲しみの暗転。
ピーピーピピーピーピーピピーピ~~
ズンズンチャ ズズンズズンチャッ ズズ♪
ズンズンチャ ズズンズズンチャッ ズズ♪
三( ゜Д゜)!?
ズンズンチャ ズズンズズンチャッ ズズ♪
「ひゃっほぉ~~~~~~~~~~~いい★★★」
(BY:カラフルなサンバの衣装を着た皆様)
え え え え え え え え !!?
( Д ) ゚ ゚
サ ン バ 隊 で す と !!??
ちょww 先頭立ってるサンバ男は薫んとこの貴城左源太だし!!
待て待てまてーーー!!
ダレですか!?悲しみに暮れる薫君と私の邪魔をするのは!?
大君の死がそんなに嬉しいのかコイツらぁぁぁぁぁ!!!
喪に服せ、喪に!!
表出ろ!!今すぐ祇園祭で賑わっている南座表へ出ろおおぉぉ!!!
そして、サンバ隊が舞台上で待機し、見守る花道の先には・・・・・
めっちゃ嬉しそうな匂宮と中の君
in 緋波牛さんが引くギンギラ装飾牛車
●第サンバ キューバ九場 カーニバル 二条院の門前・婚礼
ということで、大君の死を喜んでいるのではなく、匂宮と中の君の婚礼を祝う
町男と町女たちでした。
なぁーんだ。良かったね★
て、
いいのか。 コレ。
町男や町女、めっちゃサンバってるけど。
役名見るまでは、てっきり婚礼の精でも舞い降りたのかと思ったわ。
というか、大君の死後すぐなんだから、もうちょっと遠慮してよ・・・
薫君を、もうちょっと悲しみに暮れさせてやってくれ。
死の余韻があってからの明るい場面だったら、まだ許せたかもしれないが、
「はい、死にましたーっさ、結婚結婚!!」て、
そんなに間もない内に切り替えられても・・・(´д`;)
気持ちがついていかない。
そして、緋波さんが引くのは、
サンバの国から特注でやって来たっぽいギンギラ牛車。
・・・このセンスは・・・、どうなんだろうか・・・
場面的には、大君が死んだ直後のことなんだから、婚礼の式の場面をどうしても
作りたいなら、和式で厳かにやってほしかったな。
てか、中の君さっきまで泣いてただろうがゴラァ。
ここ、絶対 サ ン バ い ら な い 。
結婚という儀式に重きを置くんじゃなくて、むしろ匂宮と中の君が愛し合っているところを
場面として作った方が良かったのでは?
美しく穏やかなメロディが流れ、二人が美しいデュエットを繰り広げる・・・
という感じで。
で、この場面の続きであるが、サンバが繰り広げられる中で、
ひっそりと桜花さんが出てきて、サンバ隊に
リンチ囲まれる。
で、何でか知らんがサンバっぽい紙吹雪が舞い落ちる中、
幕が下りる。
・・・・・・・・ん?
緞帳?
え。
終 わ り ?
いやいやいやいや!!浮舟出てないから!!!!
死神さんも2、3分しか出てないから!!
薄明かりの中でどーなっているんだかと待ってみる。
(トイレに立っている人も数人いたなー)
待っていると、数分後に幕が再び開く。
あー良かった。始まったよ。
何この安心感。
舞台トラブルか何かあったのか???
でも、幕が開いてから紫式部が桜花さんの先程の立ち位置の中央からせり上がりで
出てきたってことは、やっぱりこういう流れなのか。
だとしたら、非常に問題だ。
なんで、こんな流れをブチっと切る構成にしてしまうのか。
上原さんに琵琶を弾かせるために?
もっと、違うやり方があっただろうに。
例えば、幕を下ろすにしろ、その直後スッポンから紫式部を登場させて、
琵琶を弾いてもらうとか。
(もしくは琵琶を持ったまま歌って、その場を持たせて、しばらく後で幕が再び開くと
琵琶マイク等のスタンバイがされていて、そこで美しい琵琶の音色を響かせるとか・・・)
とにかく、何の前触れもなしに芝居途中で幕を下ろして数分間待たせるなんて、
絶対に有り得ない。
●第十場 紫式部の部屋
原稿が進まないとスランプ状態の紫式部さん。
と、そこに女性にモテモテの文麻呂さん登場。
文麻呂さんに女性との関係の話を聞いて、それをネタにしようとするが、
結局失敗してしまう。
まー、ここの場面では虹架さんの文麻呂の可愛さですね。
非常に若くて、可愛らしい青年。
弟にしたいNo.1。
(今回2回目)
それにしてもこの方、絶対にモテモテには見えません。
女性に告白してはフラれていそうな雰囲気。
●第十一場 二条の院 中の君の部屋
「匂宮はチャラチャラしているから、安心できない。妹を頼んます」
と遺言で大君に言われていた薫が、中の君の元を訪問する。
すると、そこで出会ったのは可愛らしくて大君にそっくりな妹、浮舟だった。
浮舟のことを案じる薫は、浮舟の後見をすることを決める。
そして、その一連のことを衝立の後ろから・・・
家政婦匂宮は見ていた!! (BGM:火曜サスペンステーマ曲)
そんな妖しい瞳で見ないでー!!
ということで、この場面で浮舟登場。
朝香さんったら、幼女からアダルトな女性まで、本当に何でもできるお方だ。
めっちゃ可愛らしい幼い浮舟を演じている。素晴らしい!!
あと、浮舟の弟さんの小君。
この子役をするのは、可愛らしいこころちゃんということで、もちろん非常に可愛らしい
弟さんになっている。
弟にしたいNo.1。
(今回3回m)
ただ、ちょっと声が高すぎるような気もするが・・・
●第十二場 宇治の山荘
浮舟を宇治の里に住まわせた薫。
いつしか、互いに強く魅かれ愛し合うようになる。
で、蝶や花たちとファンタジーな世界で戯れている小君は、大事な姉上を薫に
取られて、ジェラシー。
先程死神に黄泉の国へ連れて行かれた折原大君が、
花として復活。
死神さんったら、仕事が早い★
しかし、他人の復活よりも、まず自分の活躍を考えてほしいものだ。
しかも、折原さんは
花S。
おおおおおお。
大阪松竹座では娘役では朝香さんすらもらえなかったSが、
折原さんに降りたああああ!!
そして、折原さんのお花、かわいいーーーー!!
まーそれにしても、この小君と花や蝶との場面は、本当にファンタジーな世界だった。
みんな、いきなり丘の上に座って『ドレミの歌』でも歌いだしそうな雰囲気だった。
そして、何が一番ファンタジーかって、
バレエ的なダンスを完璧に優雅に踊りこなす小君だ。
小君、貴方ロシアに行きなさい!!
そして、小君の存在は完璧アウト・オブ・眼中の薫の君と浮舟は、
美しく愛しげに歌い合うのだった・・・
「じゅて~~~む もな む~るぅ~~~~~♪」
(訳:愛している。私の愛しい人よ)
ぶ ほ っ ;:゙;`;・(゚ε゚ )
フランス語ですと!?
どうやらこの二方は、ロシア通り越してフランスへ飛んで行ったらしいわ(爆)
もう、いいです。
源氏の世界の皆さんで、いろんな世界を駆け回っちゃって下さいよ・・・
●第十三場 街道
薫の部下である左源太が、浮舟への文を届けに行く途中、
匂宮の部下の五郎次に出会う。
浮舟に興味を持った匂宮の策略により、結局左源太は五郎次に
文を取られてしまう。
なるほどね。
ここで、『ふるさと一番』で水口先生がやった動きが出るわけだ。
この場面は、走る様や狂言方の音響、文の取り合いなどの流れや動きが歌舞伎風だ。
やっと和の雰囲気なのだが、
今までいろんな場面を見せられてきたからか、この一番和に近い歌舞伎が、
非常に浮きまくりというまさかの展開。
急に、歌舞伎を持ってこられてもねぇ。
下手花道から出てきて、上手花道に去っていくという流れは面白いのだが。
●第十四場 宇治の山荘
匂宮は小君をうまく丸め込み、浮舟の居場所を聞き出し、
浮舟の部屋へと向かうのであった。
幼い小君さえも、キケンで妖しい色気漂う匂宮の前では
イ チ コ ロ よ 。
いやぁ、流石です。元・鳶の頭。(ヲイ)
(↑鳶の頭の魅力については、今年の大阪松竹座春のおどり記事参照)
あと、可愛らしい小君の様子に翻弄されつつも、
「・・・カワイイ♪」とニヤける紅葉・美砂まり姐が、面白い。
●第十五場 浮舟の部屋
政で忙しく、浮舟のところへなかなか来ることのできない薫の名を匂宮が騙り、
薫になりすまし、浮舟を自分のものにする。
その一方、薫の君は離れた地から浮舟のことを深く想い、
自分の想いが浮舟のところへ届くようにと笛を吹き鳴らすのであった。
ザ・略奪愛。
いいねぇ~~。略奪ーー!!ドロドロまっしぐらーー★
高世匂宮にあんな風に強引にされたら、そりゃあ浮舟もどうしようもないでしょ。
なんせ、
高世匂宮がかっこ良すぎる。
切れ味鋭い色気を帯びた眼差しで見つめられて、抱きしめられたら、
堕 ち る し か な い な ・ ・ ・ (遠い目)
そして、笛を吹き浮舟を想う薫の君。
ここのシーンはまるごと『ふるさと一番』でもやっていましたが・・・。
薫の君、お可哀想に・・・(つдT)
まさか、自分が笛を吹いている間に、匂のヤツに大事な浮舟を寝取られていようとは。
その想いの深さがとても伝わってくるからこそ、薫君が不憫でしょうがない。
この薫君のいるスッポンの反対側、上手花道前には紫式部がいて、
薫君が去った後で「二人の間で揺れ動く浮舟・・・」みたいな感じで説明するんだけど、
そういう心情は説明するものではないだろう。
何のための舞台、何のためのレビューなんだ。
こういう三者三様の心情こそ、歌や舞踊で表現すべきなのではないか。
あと、説明がなくても二人の間で苦しむ浮舟の様子は、すぐ後でわかる。
●第十六場 浮舟の部屋
薫が久しぶりに浮舟のところへやってくるが、女官たちの様子がおかしい。
「浮舟様がご病気で、会うこともままならない状態」というのだ。
どうしても会いたい薫は、苦しみ悲しむ浮舟に会う。
そして、奥の部屋からやって来たのは、匂宮であった。
二人の関係を知った薫は、深い悲しみに襲われ、浮舟と別れる決意をする。
本当に愛してくれる薫を失った浮舟は、宇治川に入水する。
をおおおおおお!!!
自分の女と他の男との逢瀬にバッタリ出くわすドロドロ王道パターン★
自然と、オペラグラスを握りしめてしまった!!
匂宮「薫の君の代わりに、私が慰めにきていたのですよ」
ぎゃああああああ。
こーのー色男めがあぁぁぁぁ!!!!
そういえばこの方、「愛・・・?フッ
( ̄ー ̄)」て鼻で笑っていなかったか!?
愛を冒涜すると、許さんぞおおおお!!
でも、かっこいいから
許す。
匂宮の着物の着方がもーーーー
最高。
上に羽織っている着物の片方袖を通していなくて、下に垂らしていて、
そのせいで着物が長くなってて全体的に床にずっている感じなのですが、
色気が凄い。凄すぎる。
ジュテーム・モナ・ムール★★
そして、別れを薫に告げられた浮舟は、一人悲しみに暮れる。
(ここ、幕裏がドスンバタンってうるさすぎ!!浮舟の悲しみを邪魔するな!!)
呆然とした意識の中、着物を脱ぎ、その着物を引きずりながら白い着物の姿で、
宇治川へと歩いていく。
下手花道を通っていく朝香さんの姿は、魂の抜けた人形みたいに儚げで、
不気味な雰囲気。
そして・・・・・・
やっとこさ、
桐生死神の出番だ。(2回目の登場)
待ってました!!!!って感じで、めっちゃ嬉しそうに浮舟を誘う誘う!!
そして、二人で仲良く宇治川入水。 盆回りのせり下がり。
今回も無事、目的達成。
いくら美しくたって、いくら拒まれたって、
どこぞの死神みたいに惚れて助けてということはナイヨ★
・・・て、
これで出番終わり?
セリフも歌もなく?
てか、
一言も発してないよ?
桐生さん、かなり割り食っているなぁ・・・。
ちょっと少なすぎないか?
やっぱり、こっそりといろんなところで出しておくべきだ。
そして、もくもくとスモークが焚かれ続ける中、せり上がりで出てきたのは・・・
白いマントに着物姿の桜花さんだった。
(え。宇治川の中にいたの?)
●第十七場 宇治川
薫君が、
宇治川の底から出てきて、清らかに嬉しそうに歌う。
・・・・・浮舟の死んだ後なんだから、
そんなに嬉しそうに歌わんでも・・・(滝汗)
流石、桜花さん。
しかし、桜花さんとかそれ以前に、構成や歌の問題もあるのかもしれないが。
あと、着物姿に白マントっていうのはどうかと思うぞ。
(弟にこの話をしたら、
「それは・・・・豆腐にウスターソースをかけるようなものだろ」と言われた)
・・・ひょっとしたら、和洋の融合の最終形態として、
演出家はコレをどうしてもやりたかったのかもしれんが。
いろいろ書いたので、まとめも何も・・・
まとめられませんという話なのだが、
とにかく、構成・演出にツッコミどころがありすぎ。
場面と場面の間も悪いしね。
まー、劇団員や2部の話は、
体力温存のためにもまた後日。
あーーーー書ききったぞ!!疲れた!!火曜日になる前に一応書けた!!
あと、最後にちょっと気になったこと。
今回主題歌の歌詞がパンフレットのどこにも載っていないのだが・・・
[0回]
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