忍者ブログ

セイなるカンゲキロク

~舞台・芝居などの観劇記録です。OSKや劇団四季が中心かな?~ 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。







復活。



もぅ、完全復活。





いろいろと疲れていたから、しばらくは観劇を控えようと思っていたし、
以前からチケットを取っていた今回も、正直あんまり乗り気じゃなかったんだけど、
昨日実際に観てみて、驚いた。

まさか、劇団四季の『オペラ座の怪人』がこんなにいいとは。




宝塚のファントムを観た時は、「へー。これが超名作なのかー」とも正直思ったが、
この公演を観てファントムの価値がやっと分かった。


『オペラ座の怪人』は、超名作だ。



やっぱり、ミュージカル最高。

これだから、観劇はやめられまへん。








劇団四季 大阪四季劇場公演

  ミュージカル
『オペラ座の怪人』



2007年5月3日開幕 ロングラン公演

オペラ座の怪人       佐野正幸
クリスティーヌ・ダーエ   西珠美
ラウル・シャニュイ子爵   北澤裕輔




※ネタバレ注意!!!






関西に住んでいる人は、是非大阪の『オペラ座の怪人』を観に行った方が良いと思う。



切ない愛と悲しみの中に溶けてしまうから。

ファントムにぞっこんLOVEだから。(超個人的な意見)


とにかく、
凄まじく、素晴らしいから。




約2時間半の2幕ミュージカルで、ここまで尻上がりにのめりこんでいけたものって、
生で観たものの中では今までなかった。
あのエリザベートでさえも、私の中では1幕に見所が多いから、
尻上がりにのめり込める種類ではないかもと思う。


『オペラ座の怪人』は、
プロローグを観ただけでも「数千円の価値がある!!」と思わせられて、
更に1幕最後でもド肝を抜かれ、
そして更には全然だれることのない2幕の展開で、本当に素晴らしいミュージカルだ。
あんなに凄い1幕の後なのに、2幕の方がすごく短いと感じたことは、
本当に衝撃的だった。



ていうか、あまりに素晴らしすぎて、宝塚やOSKとは違って

ツ ッ コ ミ ど こ ろ が な い ヨ !!!!


劇団四季ってのは、本当にすごいなぁ。





ストーリーは、公式サイト参照。

まず、今回は主要キャストの方から感想を書く。




●オペラ座の怪人(ファントム)・・・佐野正幸さん

オペラ座の地下に住む、才能に恵まれた謎の怪人。
生まれながらに異形の顔で、白い仮面で右半分の顔面を隠す。

色っぽくて情熱的で、包み込むような温かい歌声で・・・・。
本当に、素敵なファントムだった。
好奇心で仮面を剥がしてしまったクリスティーヌの気持ちがすごくよくわかる。
こんなに渋くてかっこ良かったら、そりゃあ見たくなるさ。
どんどん自分から離れていくクリスティーヌを見つめる切ない表情、
歪んではいるが、必死に愛を歌うその姿、
全てがツボにはまった。
そして、自分の醜さに苦しみ悶える姿には涙が出た。



●クリスティーヌ・ダーエ・・・西珠美さん

オペラ座のコーラスガールだが、ファントムに才能を見出され、歌を教え込まれる。
ファントムの孤独を感じ、自分の父のように感じることもあるが、
だんだん狂っていく姿に怖れも抱いている。

音楽コンクールで優勝した経験があったり、
学生時代に学内のオペラに出演したことがあったりとプログラムに書かれていたが、
なるほど、歌がとても上手い。
クリスティーヌ自身にはそこまで共感できなかったが、そっとファントムに歌いかける姿に
悲しみや温かさがあって、聴いていて心が穏やかになった。
高音部がとても美しく響いていた。



●ラウル・シャニュイ子爵・・・北澤裕輔さん

オペラ座のパトロン。クリスティーヌの幼馴染で、再会した時からぞっこんLOVE。
クリスティーヌを奪おうとするファントムに闘いを挑む。

イケメン。
爽やかで、とても熱くて、とにかくまっすぐ。
クリスティーヌのことをとても大切に想っていて、クリスティーヌのために
一生懸命な姿が見ていて気持ちがいい。
王子様~☆的な雰囲気が全開の歌も、なかなか魅力的だった。



●カルロッタ・ジュディチェルリ・・・種子島美樹さん

オペラ座のプリマドンナ。自分の代役をして成功したクリスティーヌに嫉妬している。

聴いてて耳が痛くなるようなひたすら高音の歌唱が、すごかった。(笑)
少々耳障りな歌唱、どっしりとした存在感と、見事なカルロッタだった。
宝塚版のような悪知恵おばさんというよりも、わがままなおばさんという雰囲気。
役としてのストーリーの中でのウェイトは、宝塚版よりも軽い。



●メグ・ジリー・・・荒井香織さん

バレエ・コーラスの一員。クリスティーヌの友だち。母親はマダム・ジリー。
とっても元気でちょっとおせっかいな女の子。

この人の歌、踊り共に安定しているんだけど、
演技がとてもわざとらしい。大げさすぎる。
一緒に行った友だちが「宝塚では通用するかもしれないけど」と言っていたが、
それ以上のわざとらしさを感じてしまった。
セリフの発声方法が宝塚とは違うからかな。



●マダム・ジリー・・・戸田愛子さん

オペラ座のバレエ教師。ファントムからの手紙を支配人たちに渡す。
ファントムのことを少し知っていたりと、なかなか謎の人物。

堂々としていて、冷静で、感情を表に出さない。
だからこそ、内に秘めた強さが歌に込められているように感じた。
ファントムと支配人たちの橋渡し的役割をしており、比較的重要な役どころ。
(宝塚ではそこまで重要な役どころではなかった)




少々場面ごとに振り返る。



●プロローグ

1905年。寂れたパリ・オペラ座にて、オークションが行なわれていた。
いろいろなミュージカルにまつわる物が競売にかけられる中、
最後に『No666.シャンデリア』が紹介されて、物語は始まる。


まず特筆すべきは、競売人の存在感。
抑揚のない、低い、不気味な声がシーンと静まった舞台に響いていて、
これから何が始まるのかという期待と緊張に胸が高まる。
ていうか、あの渋い声が大好きなんですけど。

シャンデリアの紹介になると、
シャンデリアに掛かった布を取る黒ずくめのおじさまたちが出てきて、
更に舞台に異様な空気が漂う。

そして、ゆっくりと、次第に感情を高ぶらせながら言うのだ。


「ちょっと明かりをつければ、昔の亡霊も逃げ出すことでありましょう!!」

《バン!!》

『ば~~~~ばばばばば~~~~ん♪』


あの不気味で骨の髄までよく響き渡る名曲と共に、
美しいシャンデリアが登場して・・・・・・。





あまりのインパクトに、呆然。
そして、しばらくしてからは、ただただ心の中で
言葉にならない感動が溢れた。

プロローグで感動して涙したのは、初めてだ。


もちろん、感動に至るところまでには、出品されていたオルゴールの哀しい音色、
そしてそれを愛しく哀しく見つめる老人(ラウル?)の姿があった。

寂れたパリ・オペラ座と人々に、時代が移り変わり、老いることの切なさを感じ、
それが心に染み入ったところで、シャンデリアの復活。
そして、それと共に時代も一気に遡る。
この演出は、本当に見事。
思い出しただけでも、鳥肌が立つ。



  ACTⅠ
●第4場 地下の迷路

クリスティーヌを連れて、ファントムが地下の隠れ家へと導いていく。

ここの代役、舞台装置の使い方が素晴らしい。
手前の下手側の奈落下への階段を下ったと思ったら、
すぐに舞台奥左上から右下へと下っていく。
更に、下った後でその階段の装置がシーソーのように動いて上下逆になり、
右上から左下へと下りて行く・・・・。

そして、舞台中が蝋燭の燭台でいっぱいになり、
その中をファントムたちを乗せた舟が進んでいく。

舞台の美しさに、めちゃくちゃときめいたよ。
どこぞの劇団のキム●ンさん作品とは大違い。



そして、その後クリスティーヌに仮面を剥がされた時の
ファントムの怒りと悲しみ。

・・・・・・ファントム。 (つ△T)




●第10場 オペラハウスの屋上

クリスティーヌとラウルがラブラブで、オペラハウス屋上にて愛を確かめ合う。

・・・・・そして、それを密かに見つめていたファントム。(ヒーー!!)
ていうか、完全にストーカーだよね。ファントムって。

ファントムの哀しみと怒りが爆発。
あちゃー。だから、ストーカー行為はほどほどにしないとー。
自業自得。


その後、『イル ムート』の代役公演にて、
怒りに狂ったファントムがシャンデリアを落とす!!

ぎゃあああああああ!!!!

思わず、心の中で叫んだ。


これが1幕の終わりだから、本当に興奮冷めやらぬ状態で休憩時間に。
しばらく、椅子に座って固まっていた2人組は、私たちです。

(ちなみに、椅子に座ったままで話していたら、
しばらくしてゆっくりとシャンデリアが所定の位置に。 
なんか、「一仕事終えた~」ていう感じで笑えた)




  ACTⅡ
●第1場 オペラ座の階段

仮面舞踏会での一時。
そして、幸せな会場に突然どくろの仮面をつけた
『赤い死』に扮したファントムが現れる。

気持ちはわかるけどさー。
やめたろうよ、その悪趣味な嫌がらせは。


この2幕最初から、ぐぐっと心を鷲掴みにして舞台に引き戻してくれるのが、
名曲『マスカレード』。 
(最初、変換したら「増すカレー度」になった。そんなもの増える必要はない
1、2回聴いただけなのに、脳みそに残って離れない。
振付も、単純だけど大好き。
ついつい真似したくなる振り、ベスト1。




●第7場 『ドン・ファンの勝利』

ここも劇中劇だったんだけど、かなり怒涛の展開。
劇の中でキャスト入れ替わって、ファントムがクリスティーヌに愛の告白しちゃうし、
替わったキャストの人はカーテンの中で死んじゃってるし、
場内大混乱の中、クリスティーヌは連れさらわれちゃうし、
ラウルは消えた恋人のことを追いかけるし。

この劇中劇でのファントムの愛の告白の歌が、本当に切なすぎる。
これを受けるクリスティーヌも、めっちゃ辛そう。
相手の熱い想いがわかるけれども、あまりに狂気じみているから怖いんだよね。

ファントム、哀しすぎるよおおおお(涙)




●第10場 ファントムの隠れ家

ファントムとラウルの最後の対決。
クリスティーヌはどちらを選ぶのか。



・・・・・ここは・・・・・・。

もう、胸がいっぱいになって、ぼろぼろと泣くしかなかった。

ファントムの哀しみと孤独、そしてその愛の行方。
全てが切なくて切なくて、どうしようもなかった。

ファントムに寄り添ってあげたい衝動に駆られた。

ここまでくると、もう
クリスティーヌとラウルはどうでもいい。(超問題発言)


狂い、疲れ果て、衰えた体の痛々しさ。

自分の醜さに対するやりきれない思い。



一体、ファントムは、どこへ消えていったのか。









一応総括すると、
劇団四季『オペラ座の怪人』の最大の魅力は、
圧倒的な歌唱力、そして枠に囚われない豪華な舞台装置だった。


歌を丁寧に歌っているのはもちろんのこと、感情もその歌にしっかりと乗っている。
感情のこもった素晴らしい歌というのは、本当に心を震わせてくれる。
もちろん、曲がいいからこそ、歌が生きるのだけれど。

舞台装置では、ファントムがいろんなところに登場したり、
舞台だけでなく舞台回りの装飾の美しさであったり、
巧みな影の使い方であったりと、
どれも丁寧な演出によって芸術的に生かされていた。
客席のすぐ横のスピーカーから、劇中劇の時の警備兵の声を出した時は、
客席も舞台とひとつになっている感覚になって、なかなか面白かった。



今回観て、改めて思ったのが、
宝塚ファントムとオペラ座の怪人って、別物やん。
ということ。

宝塚版の『ファントム』は、母親の愛に飢えた繊細すぎる青年。
クリスティーヌを母親と重ね、その愛に満たされたいファントムと、
それを受け止めるクリスティーヌの姿が描かれているが、
主軸には、葛藤するファントムの父親との心の交流。

四季の『オペラ座の怪人』は父性を感じさせる、どこか包み込むような雰囲気を醸し出す。
ファントムがクリスティーヌを包み込み、クリスティーヌもファントムの孤独な心に気づくが、
どんどんファントムの愛が増していく程、クリスティーヌはラウルとの愛を深めていき、
ファントムから離れていく。
そして、愛を求めすぎるが故に、激しい嫉妬心によって狂い、歪んだ行動を起こしてしまい、
最後には自ら消えてしまう。
愛し合うクリスティーヌとラウル、そしてその間で更なる孤独の闇に溶けていくファントム。
この三角関係がストーリーの軸になっている。


宝塚版は、ファントムという「人間」を描いていて
最終的にファントムは死んじゃうけど、
クリスティーヌがとは愛で結ばれるような形になっている。
ラウルの影が薄く、あくまで片思いで突っ走っている感じ(笑)
ていうか、前支配人のキャリエールが父ちゃんだし。
その親子の愛の方が美しくて見ごたえあるという、今考えるとまさかの展開。

一方の四季版は、出生もよくわからない不思議と謎に満ちた「怪人」を描いていて、
結局、最後まで謎に満ちていた、人間くさい「怪人」。
・・・というか、狂気の闇の果てに、
ファントムは本当の怪人になってしまったんじゃないかとも感じた。
最後の最後に人の愛に直に触れて、自分の人間的な心に気づいたから、
あの結末なのかな。
うぅ~~~ん。味わい深い。


父子愛の美しさか、はたまた愛と孤独との狭間で歪んでしまった切なさか。

結局、宝塚と四季でそれぞれのテーマ、見所が異なるんだね。
どっちが良作品かってよりも、これは好みで分かれるのかな?
いろんな作品の見方があるし、ファントムという存在の解釈もそれぞれだけど、
私は断然四季版の『オペラ座の怪人』が好き。
というか、あのシャンデリアがあるだけで、私は大満足だ
これ観た後に、宝塚版ファントムのシャンデリアは見れまい。



ちなみに、劇団四季を生で観るのはこれで2回目。
前回の『マンマ・ミーア!』は正直あんまり好みではなかったから
今回も特に期待を寄せていなかったけれども、これは本当に素晴らしい作品。
(でも、『マンマ・ミーア!』のABBAの曲は大好き)
悲劇的で切なくて、ロマンチックな大人のミュージカルを堪能させてもらった。
とにかく、ファントムに激しい愛しさを感じずにいられない。
ファントム会いたさに、リピートしてしまうかも・・・・・
こりゃあ、ハマるわな。




ただ、一言言わせてもらいたい。

劇団四季のパンフレットには、不満がある。

写真や役者紹介はいい。
しかし、どうしてあんなに感想文ばっかりでページが埋まっているのか。

とにかく、著名人の感想文が多すぎる。
評論家やファン代表者3人くらいでいいでしょ。
ちなみに、その中では小藤田千栄子さんと遙洋子さんの文章が
一番興味深かったかな。
どうでもいいような文章もあって、うんざり。

もうちょっと舞台自体の質や役者や演出家の心に触れることのできる
文章が読みたかった。
これで2000円と思うと、悲しくなる。




ところで、この作品。
チケット販売状況を見ると、どうやら小学生の一部貸切公演が結構多い。
劇団四季はそういうものなのか?
小学生には、この物語を理解することは難しいのでは?
劇団四季の『ふたりのロッテ』とかの子ども向け作品を観劇すればいいのに。

ていうか、ただ単に教師が観たいだけと違うか?




とにかく、何から何まで「素晴らしい」「イイ」としか言えない劇団四季の『オペラ座の怪人』。

願わくは、延長公演でいい席のチケットが取れますように・・・・。

というか、DVD化してほしいなぁ・・・・。

歴代のファントムも観たいなぁ・・・・。




拍手[4回]

PR

名 前
メール
URL
題 名
文字色 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
手 紙
合言葉
 
TBURL
記事URL

カレンダー

05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

最新コメント

[03/14 うちゃこ]
[03/14 ともきち]
[04/13 うちゃこ]
[04/13 華崎]
[04/28 うちゃこ]

最新トラックバック

プロフィール

HN:
うちゃこ
性別:
女性
趣味:
観劇と音楽鑑賞

バーコード

ブログ内検索

カウンター

忍者ブログ [PR]
Copyright(c) うちゃこ. All rights reserved.
Powered by 忍者blog
Template Designed by miu_uim