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セイなるカンゲキロク

~舞台・芝居などの観劇記録です。OSKや劇団四季が中心かな?~ 
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前回の記事の、続きです。





レビュー春のおどり
(トップスター高世麻央 お披露目)

<第二部>

Stormy Weather
 



作・演出:荻田浩一
















第3景 スコール “ニューオリンズ”

 

ハリケーンが去った後、ジャングルの女Sが歌い、

ジャングルの男・真麻さんが踊る。

どこか悲しげに去っていくジャングルの男女。

 

そして、とある港町にあるバー。そこは、ニューオリンズ。

フラっと最初に店にやって来たのは、物憂げなスーツ男(楊)、

船旅から帰って来たらしい船乗り(虹架)。

続々とやってくる他多数のスーツの男、酒場の女。

そして、遠方(花道奥)からスーツの男S(高世)。

酒場の歌手たちのスキャットが場を華やかにする中、

高世を中心に渦巻く人間模様。

(ちなみに【スキャット】とは、声を1つの楽器として表現する技法。

 「ドゥビドゥバ~」のように、意味のない音をメロディに合わせて歌うこと。)

 

高世に淡い恋心を抱き、踊りを楽しむ酒場の女A(折原)。

バーのみんなの兄貴分的存在であり、高世の親友のスーツの男A(桐生)。

楊は、華やかでかっこいい高世のことを、憧れの眼差しで見つめる。

若手スーツのリーダー的存在である悠浦は、

みんなに好かれる高世のことが気に喰わないので、挑発的な態度を取る。

しかし、高世に全く相手にされず、更なる憎しみを抱くように。

 

そんな中、高世は青い服を着た儚げな娘、恋羽と出会う。

瞬間、脳裏に現れる傘を差す女性。

彼女は、どこか昔の恋人のようであり、

その存在は目の前の娘と重なるように溶けていく。

そして、恋に落ちる2人。時が、動き出す。

 

踊り、幸せに満ち溢れる高世と恋羽。

恋に破れ、傷心の折原。

密かに彼女を想う桐生が慰めようとするが、想い全く届かず。

折原は、その悲しみ、怒りを踊りにぶちまけるが、残ったのは虚しさだけ。

恋を、そしてその後の悲劇を歌う牧名。

妖艶、かつ物語の結末を表すかのように、悲しげに踊る白藤。

(朝香さん、この場面にいたような気もするが記憶曖昧)

 

幸せそうな2人を見て、

「先に俺が恋羽に目をつけていたんだ!どこまでも腹立つ野郎だ!!」

と怒り絶頂の悠浦。

ナイフで高世を刺そうとするが、逆にそのナイフで刺されて、

息絶えてしまう。

親友の真麻は悲しみ、復讐の炎に身を焦がすかのように怒り狂い、

高世を襲おうとするが、実力に差がある。

そこで、恋羽を人質に高世を陥れたのであった。

諦めた高世の頭上には、暗い雨空が広がる…

 

悲しみに打ちひしがれ、以前と同じように儚く去っていく恋羽。

物語を知る牧名と楊は、悲痛な叫びを歌い、

船乗りは寂しさを噛み締めながら、新たな船出の時を迎えるのであった。

 

 



何度も書きますが、あくまで、私 解 釈 のあらすじです!!!


それにしても、我ながら長いあらすじを書いたものだ。



この場面、

カリブ場面の続きパートとニューオリンズパートで構成されているので、

順を追って書いていく・・・

 






雷神様が退場なされた後、切なげなギターの音色響く中

ことりちゃんの歌で真麻さんが踊るところは、

とても魅力的。

「ストーーーーーーーム!」という叫びのような歌が、心に響く。

祈るような、力強い真麻さんの踊りも、良い。

 

 

一方その2人の後ろで、店と街灯等が設置されていた。

流れるような場面転換を意識して、という意図は非常によく分かるし、

切れ目ないストーリー展開はとても魅力的。

 

だけど、作業している裏方さんを、

もうちょっと隠すことはできなかったのか!

 

結構舞台上が明るいからか、がっつり裏方さんが見えることがあるのが、

少々残念だった。

顔面と頭も普通に晒しているし、

普通の黒いTシャツとズボンって感じだしね。しょうがないけど。

黒子になっていたら、まだマシだったのか…?

いや、そういう問題でもないのか…

松竹座だと、これはどうしようもないことか。

 

 


 





そして、ニューオリンズの酒場の場面。

 

どういう人間関係だったのかを整理する為に

相関図作ってみたけど、

 




 
  
 

 



 

より一層分かりにくくなっただけという

カオス感よ。

正直、悠浦さん近辺は、観察不足の為自信ない。

 

あと、ナイフの行方を途中で見失ってしまい、

いまいち分からなくなってしまったのだが…

 

悠浦さんが持っていたナイフを、楊君が拾う

楊君からナイフを貰った(奪った?拾った?)蓮君、ニヤリ。

そのまま、恋羽さんにナイフを突きつける。

真麻さんがナイフを譲り受け、高世さんを脅す。

 

という流れだったかな?

 

楊君は、しばらくあのナイフを持って呆然と歩いていたが、

悠浦たちと仲間ではあるものの、高世さんのことを慕っていたので

復讐には乗り気になれず、悩んで彷徨っていたのか。

或いは、好きになれない自分自身を刺そうとでもしていたのか。

 


 

以下、特に気になった方々の感想。

 

桐生さん。

折原さんに対する恋心は、あったのかなかったのかは正直定かではなく、

お互い良い友人としての関係だったのかもしれないが、

慰めようとして呆気なく拒否される姿は、笑えた。可愛かった。

そして、高世さんが陥れられた時に苦しげに歌う姿は、

男性の色気のようなものを感じて、魅力的だった。

感情が適度に乗っている歌い方も、非常に良い。

 

 

折原さん。

怒りを込めて踊った後、椅子を引きずりながら虚しさと共に去っていく姿が、

愛しさと切なさと心強さとby:篠原涼子)

感じて、総じて可愛かった。

 

 

牧名さん。

ストーリーテラー的存在。

歌で物語を紡いでいく。

感情が込められていて、ドスの効いた力強い歌声が非常に良かった。


どこぞのバーで、本当に歌手やっていそう。

 

 

悠浦君

ヤンチャで悪そうな雰囲気を出そうとカッコつけまくっているけど、

悪に慣れていない感が満載で、動きが妙に角ばっていて

非常に微笑ましかった。

貴方、絶対に近所の子どもの面倒見ている優しいお兄ちゃんでしょ!!

ダンスを頑張っている雰囲気が、好印象。

 

 

楊君。

高世さんとバーで楽しそうに踊っている以外は、

基本的にめっちゃどんよりと歩いていたよね。


あらすじ等で書いた楊君考察は、正直あまり自信がないので

未だに彼は一体何がしたかったのか、存在自体が少々謎なのだが。

とりあえず、暗い男が似合う。

 

 

香月蓮君。

ナイフを持った時に、めっちゃ嬉しそうにニヤ~~~ってするんだけど、

その表情が怖さと可愛さ(!?)をはらんでいて、非常に良かった。

 

 

虹架さん。

パンフレット見て、「船乗り 虹架」て見た瞬間、

荻田先生ったら、虹架さんの使い方を

よく分かっていらっしゃると思ったわ。

後の場面の、元気いっぱいな船乗り姿が正に虹架さんの真骨頂であるが、

この場面では空回りに楽しんだり、密かに悲しんでいたりする

ピエロ、道化のような立ち位置的存在で、興味深かった。

 

 

白藤さん。

高世さんと恋羽さんが愛し合っている場面で(何かイヤらしい感じがするな)

バックのせりが上がっている場所で踊っているのだが、

悩ましい色気を醸し出していて、とても良かった。

ダンスの表現力が上がった?

(というか、この場面高世恋羽カップル、折原、牧名、白藤等と、

見たい場所が多すぎて目が足りないのよ!)

 

 

朝香姫。

想像力掻き立て力・ナンバー1。

本当に、この方は立っているだけ、歩いているだけで様になる。

 

ミストレス(mistress)って、奥様とか恋人、愛人っていう意味なんだけど、

これ、霧とか霧雨、モヤ、かすみっていう意味の

ミスト(mist)に掛けているんでしょうね。

上手いねぇ。 (あくまで私個人の予測だけどね)

 

そして、このミストレスと高世さんの関係だけど、

もしかして今は亡き(或いは遠くへ行った?) 昔の恋人なのかなーと感じた。

その面影を、恋羽さんに重ねたのではないかと。

そしてそれと同時に、その恋人が高世さんの元に恋羽さんを導いた、

いわば恋のキューピッド的存在でもあったのかと考察したのだが、

真実は荻田先生の胸の中か。

いろいろ想像させられるなぁ。

 

 

ミストレスが恋のキューピッドであったにしても、

何にせよ、

このストーリーは

バッドエンドなんだけどね。

 

というか、もしかしてミストレス、

高世さんを死、或いは闇の世界に誘い込むために、

2人を導いたのか?

計画通りだった!?

 

だとしたら、怖ろしすぎるが、

朝香姫だから

何の違和感もなく納得できてしまう不思議。

 




 

   


 

第4景 タイフーン “上海”A

 

船旅で、上海に訪れた航海士と船乗りたち。

可愛いチャイナドレスの女たちに迎えられる。

夜になり、航海士はダンサーと共にタンゴを踊り、

妖艶な時を過ごす。

そして、京劇の男高世による楊貴妃が演じられ、

悠浦歌手が優艶な時を演出するのであった。

 

 

この場面は、何と言っても初っ端チャイナドレスの女Aよネ。

折原さんの可愛さよネ。

船乗りさんに「ワチャーーッ」ってチョップお見舞いする感じが、

たまらんよネ。

そして、花道すっぽんから桐生さんが登場した時の、

「本命キタアル~♪」って嬉しそうな表情見たら、

無条件に幸せになれるよネ。

 

桐生さんを囲んだチャイナドレスっこたちの

「イー」「アルっ」「サンっ」「スゥー」

も、ぴょこぴょこしていて可愛いんだよなぁ。

 

 

タンゴダンサーでは、3組のカップル共良い雰囲気を出しているが、

やはり、桐生・りら組の悩殺肉感カップルには鼻血出るわ。

振付では、首だけ持ってステージすれすれで娘役さんを支える振りが、好き。

 

 

初見の時、華やかな中華衣装の高世さんは、

女役なのにすごく中性的な雰囲気だなと思っていた。

しかし、役名が「京劇の男(楊貴妃)」ということは、

男性が女性の役を演じている男役の女性が高世さんだったということだ

・・・って、紛らわしい。

要するに高世さんは、

女性を演ずる男性を巧みに演じることができていたということ。

 

悠浦さんの歌声も、相変わらず綺麗で良かった。

もう少しビブラートが出れば、より良い響きになるかも。

 

あと、楊貴妃が出てくるところの出だしのオカリナ(?)の音色が、

『パッサージュ』の場面「硝子の空の記憶」の

holidays』途中の音楽と似ていた。

どうでもいいことだけどね。

 

この場面の終わりで、上下に腕振って元気に退場する高世さんからの、

ノリノリで登場して腕を同じように振るジャズの男桐生さんという、

場面が繋がる一連の流れが大好き。

 

 

 

 

第4景 タイフーン “上海”B

 

ジャズの男と女たちが、にぎやかに楽しく歌い踊る。

そして、ジャズキング(高世)はジャズクイーン(朝香)と共に、

満天の星、流れ星の中で静かに踊る。

 

 

劇団員さんたちみんなが、楽しそうに元気に踊ったり歌ったりする場面。

明るい中盤にぴったりの音楽ナンバー、展開である。

 

ここの場面ではじけまくっていて、とても印象に残っているのは

真麻さん。

トークショーで真麻さん自身「大変な場面」として挙げていたが、

早口で歌って割り込む真麻さんが、元気溌剌かつせわしない感じで面白い。

そして、頑張っているんだが何て言っているのか分からない()

 

 

ジャズキングとジャズクイーンの場面は、

静かでシンプルなジャズの音色に合わせて

星空と流れ星の中で踊る2人という全体の絵面が、

非常に美しくて見惚れてしまう。

 

振付もとてもロマンチックだった。

特に、高世さんが後ろから朝香さんを支えるような体勢の時に、

2人の腕が交互に上下して「南十字星」を作っているかのような振りは

思わずため息が出てしまうくらい優美。

息の合い方も、流石。

私は、この2人の優しい透明感あふれるデュエットが大好きなので、

正直トップコンビとして何回かは組んで欲しかったのだが、

これだけ素晴らしいものが見ることができ、本当に幸せな一時であった。

 

正直、今回のショーの中でも

トップのロマンチックさと美しさを兼ね備えた場面だと思う。

 

ジャズの音色も、静かでシンプルなところが雰囲気に合って良い。

 

 

 

 

 

第5景 モンスーン “異郷”

 

東南アジアのある村にて。

踊る男A(桐生)が、季節の変化を知らせるかのように踊る。

気だるい高温多湿な空気の流れの中、女(牧名)は歌う。

踊る男S(高世)は、迷い込むように村にやって来る。

そして、モンスーン(季節風)の訪れを知らせるかのように、

或いはモンスーンを導くように現れる乙女S(朝香)。

風に翻弄されるように、高世の動きに翻弄される牧名。

そして、モンスーンによって気候が急激に変化し、雨が降る。

 

荒れ模様が治まった後は、美しい空が開け、

潤う大気が喜びに満ち溢れる。

皆で自然の尊さを賛美する。

 

 

「光る星が 溶けた雨」

「嵐は 地球の産声」

 

この場面、申し訳ないことに後半の記憶が曖昧で…

詳細をあまり覚えていないという体たらく。

上記の二つは、確かこの場面の歌詞なんだけどね。

stormy weather』の記憶に

『バビロン』上書きしちゃったのか私。

公演終了後に、『バビロン』DVDCDのループ再生するんじゃなかったゼ!!

 

この場面、

前半は何かがすぐにでも始まりそうな、怪しい空模様のような雰囲気で、

後半はOSK流の『大地讃頌』(ショーver.)という感じ。

私は前半も後半も大好きである。

 

そして、【必殺・布】。

踊り子さんたちが出入りする扉は 布。

そこから出てきた娘役さんたちが両手に広げ舞わせるのも 布。

この布、様々に変化する季節風を上手く表現している。

(ただ、『TUXIDO JAZZ』第6場「アステア」や

『タランテラ!』第3場「ラ・プラタ河」での布の使い方に比べれば、

とても控えめな演出。)

 

 

そして、この場面見て思ったこと。

 

やっぱり、

朝香姫が天候悪化の原因じゃないですかー!!


天候悪化、もしくはニューオリンズのような状況悪化ね。


嵐を呼ぶ女…

天候の女神、テフヌトか?

 

この場面では、高世さんはあくまで1人の人間なんだね。

朝香クイーンの旦那、キングではないのか…。

 

 

モンスーンによる天候変化を表しているであろう、

高世・桐生・牧名トリオの激しいダンスの場面は、

荒々しい表現によって、天候に翻弄される雰囲気が出ており、

変化の激しい音楽と共に印象に残っている。

 

 

そして、後半の希望に満ち溢れた雰囲気、力強さを感じる合唱に

強い感動を覚えた。 ところが詳細は覚えていないとは、これ如何に。


場面ラストの合唱は、

2008年『レビュー in KYOTOⅡ』2部「ミレニアム・ドリーム」

第4章「GOD BLESSING B」の雰囲気を感じさせる。

みなぎる劇団員全員のパワーがビリビリ伝わる、とても良いシーンだ。



3回観劇したけど、毎回舞台からの凄いパワーに飲みこまれてしまって、

呆然としていたらいつの間にか次の場面…という感じだったからなぁ。

そうそう!『バビロン』で上書きしたんじゃなくって、

内容の素晴らしさに圧倒されすぎて、記憶がぶっ飛んだんだわ!

私ったら、まだまだ修行が足りないなぁ!(滝汗)

 

 

以下、この場面の細々した感想箇条書き。

 

・序盤のことりちゃんの背後に控える、バックスキャットガールズ。

 (恋羽・白藤・遥花?すまん、これは全く自信ない

 無表情で3人で椅子を真上に持ち上げて登場という、

最初から只者ではない存在感を発揮する。

「ワーワーワワ~」と、どこか暗い影を帯びた表情で歌い出すが、

ほんわか温かい、包み込むような歌声に癒された。

ニューオリンズの場面のスキャットも良かったが、

こちらの濃厚さには敵わないか。

 

・「嵐は 地球の産声~~~」って、高世さんが高らかに歌うところが、

 気持ち良さそうで非常に魅力的。

 

 



 


===============







また文字数制限・・・



まさか、パート3まで続くとは。





それでは、次回また会いましょう。





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