今回の公演では、音楽の大切さというものを改めて実感した。
当たり前のことではあるが、1部と2部を比べると根本にこれがあるような気がしてならない。
要は、1部の曲の使い方が悪くて、2部の曲は質・バランス共に良かったということ。
これが、1部と2部の出来の良し悪しを分けた一つだと思う。
まず、1部の感想。 辛口注意。
とにかく、
作者の桃井さん出て来い。 表に出ろ。
これだけいろいろとイライラさせられたショーは久々に観た。
終わった後、千秋楽に初めてOSK観る人を連れてくることを思い出して、
頭抱えた。
ずばり、これは和物レビューと言いながら、OSKの口上ショーだ。
四景に男役5人衆による口上は入るし、
肝心のフィナーレでいきなり劇団員一人ずつの自己紹介が入るし。
ええっと、、、、、
それ、日舞レビューに必要な要素ですか?
ファンだったら、大体誰がどんな人かってのはわかっているから、
浅い一言紹介なんて「あーそうだよね」で終わるし、
ファンでなくて、更に初めて観る人にとっては、
長くて鬱陶しいだけだし。
何。この構成の泥沼っぷり。
あと、口上。
DVDで以前の春のおどりを観た時にも思ったんだけど、
口上って公演の内容に入れる必要性があるのかな。
その分、楽しい日舞の時間が減って、残念なことになっているんじゃないのかな。
口上をどうしてもやりたいんだったら、初日の1部の前に少しするとかで、
いいんじゃないの?
せっかくの日舞の勢いとか雰囲気とかが、
口上でぷっつり切られてしまっているように感じる。
・・・・・・でも、それ以前の問題として、
口上の前の場面までに勢いや盛り上がりがなかったことが痛すぎるのだが。
新生OSKとか、桜花お披露目とかを、変な風に履き違えてないか?
普通にレビューをしてもらうのが、ファンも初心者さんも嬉しいはずなのに。
全体的な内容のことを言わせてもらえば、
盛り上がりそうで盛り上がらないという、肩透かしっぷり
が非常に目立った。
うわー、ここから盛り上がってくるでしょーきたぁーーかなぁーーーーっっっっぅぅって
ええええええええ終わったあああああああああ(゜д゜;)
という尻切れトンボの繰り返し。
盛り上げるきっかけは凄くあるのに、全然それが生かされない。
このレビューの筋自体は決して悪いわけではないのに、ほとんど空回りに終わる。
勢い乗らないもんだから、手拍子や拍手もしにくい。
何。 こ の 不 完 全 燃 焼 レ ビ ュ ー 。
桃井さんはパンフレットの文章でこう述べていた。
『―――OSKの舞台からあふれ出た「元気」が、
こちらの体に乗り移ってきて自分の体も動きはじめ
(といっても客席であまり動いては周囲のお客様のご迷惑になりますから
そこは手拍子で発散)―――』
発散できません。
何となく乗らないので、その手拍子ができないんですよ。
あと、この不完全燃焼内容の原因には、
最初にも書いたが、音楽が関わっていると思う。
音楽自体、単体ずつを聴くと悪い内容ではない。
しかし、バランスが悪い。
音楽の種類が偏っている。
正直、OSKの日舞レビューに合ってないと感じるものもあった。
五景のええじゃないかのところなんか、
音楽が良ければもっと盛り上がったんじゃないかとも思った。
何か、シックな大正やら昭和やらのモダンを感じさせるような・・・
(他の景でも、これを感じたところがあった。一景か?)
振りの問題もあるかもしれないが、あの音楽では盛り上がるものも盛り上がらんだろ。
日舞レビューは、もっと王道の底抜けに明るい祭り音楽も入れて欲しいな。
音楽については細かく言うとキリがないが、
例えばオープニングの流れがそのままヒップホップに持っていかれるのは強引だし、
ロック的な現代風の音楽が変な形で多用されているような気がした。
1部の景の中で、これはいいと思ったのは、第七景の『大和』。
最初、
「・・・誰?」と思ったけどね。
桜花さんが非常にかっこ良かった。
堂々としていて、猛々しくて。柔らかい動きも魅力的。
流石トップスター、これぞトップスターというオーラ、力を見せてもらった。
一押しは、
第六景での飛脚・蒼音さんの走り方と小芝居。
これは・・・・・・。笑うとかを超越して、本当に、
感動した。
なんて芝居センスのある人だ!!!
あの通り過ぎた後に、娘さんのことが気になってきゅっと振り返るそぶり、表情。
そして、「あ、どうも・・・」とおじぎをした後に気持ち切り替えて走る様。
素敵すぎる。
あとは、伊勢のええじゃないかでの丁稚・折原さん。
あの鼻水垂らしてそうな坊やが、まさか折原さんとは・・・・・
最初気づかずにいたよ。
「ふーん。可愛い坊やもいるわーへーーってうをおおおおおおおおい我らが折原さんじゃねえか!!!!」
と勝手に焦りまくっていたのは私です。
折原さんったら。
かーわーいーいーーー(ファンモード突入)
更に、その手に持った魚の活きの良さったら(笑)
あとは箇条書きに。
●第二景の渡世人・桐生さんと芸者・折原さんのラブラビュデュエットには、
楽しませてもらいました。
切ない折原さんの表情、桐生さんのいい男っぷりと最後の走る姿が最高。
●第三景の「駿河」は、まさかの茶摘娘たちによる尻振りまくり踊り。
それまでに盛り上がっていたら笑う余裕もできていただろうが、
前の景までがそこまで盛り上がっていなかったので、無理だった。
ごめん。
いや、そりゃあ娘役さんたちのお尻はカワイスギルんだけど、
それがしつこく続くと、正直引くよ。
あと、この盆回りの時に前にあった桜の木の張りぼての裏側が丸見えだった。
裏側は張りぼての骨格むき出しだし。
ダメでしょ。
●第六景「近江」では、高世さんの凛としたいい男っぷりが冴え渡る。
似合っているんだか似合っていないんだか判断し辛いけいと君のヒゲ面にも、
目が離せない。 というか、この田舎侍が可愛い(笑)
子守のこころちゃんは、子どもをもっと大事にあやしてほしいところだ。
子どもが結構乱暴な扱いを受けていたのは、気のせいか?
●第八景「東海道」では、大工・貴城さんのショータイム。
最後の方では、愛しい町娘や旅の人々がいなくなって、
一人ぼっちになっているのに最後まで歌い続けて、
歌い終わった後に一人ぼっちに気づくという、流石貴城さんと思わせてくれる内容。
普通、あんだけ動いて歌ってりゃあ、途中で気づくだろ(笑)
まぁ。そこが、
貴城クオリティさ。
ていうか、貴城さんって大工さんだったのね。
●博徒の男・緋波兄やんも、素敵な男っぷりを発揮。
いやー。口上も見事でした。
緋波さんの襟をきゅっスーッとやる仕草と表情が、色っぽくて凛としていていい。
ていうか、緋波さんって博徒の男(ばくち打ちの人)だったのね。
そういえば、2部の感想書いてない。
えーーっと、 そう。 2部。
今回の公演は、2部が全て。
もう、何も言うことはないというくらいに、2部最高。
楽しかった!!
内容も、音楽も、衣装も素晴らしかった。
1部のせいで美化されているんじゃないかとちょっと心配だが、
今はとにかく2部が楽しかった記憶しかない。
情熱的なバルセロナやら、儚い青年とどこか妖しげ(笑)な水や氷の精とのダンス、
熱い熱い激しく熱い炎の群舞、
sniperをスニッパーと読み間違えていて場面を観た時に恥ずかしさがこみ上げた
スナイパーとチェリーガールズとどろぼうたちのクールで可愛くてお洒落で楽しい場面・・・
などなど、またOSKが新しくて楽しいもの作って魅せてくれたよーーーと大興奮の
充実した内容。
中村一徳さん、本当に見直した!!
というか、第5章の「Sniper Robber」なんて、
かっこいいスーツ男たちと、可愛い泥棒たちと、
出てきて20秒程で服を破り脱ぐお約束な萌え娘のチェリーガールズという
素晴らしすぎる組み合わせだよ。
この組み合わせとシチュエーションを考えた中村さんは、
本当に良い仕事をしてくれたよ。
チェリーガールズが泥棒っていう設定は、本当に萌えだよね。王道だよね。
最後まで、素晴らしい場面だった・・・・(恍惚)
気になるところなど、少しだけだけど箇条書き。
●第1章で、朝香さんの背中の下辺りにある羽だけが極端に倒れていたけど、
あれはわざとかな?
●バルセロナの折原さん・・・・・
ちょ、ちょっと待っtそそsそんなに挑発しないでkださいよ!!
心の準備がああああああ!!!!
●フィナーレでの青年3人衆とロケットの間がなさすぎるような気がする。
幕開いた時、ロケットのスタンバイができてなかったし、衣装の乱れもあった。
でも、あの3人だとあの時間を持たせるのが限界だろうし・・・。
若手を使うのもいいけど、 ちょっとあそこは難しいよね。
●フィナーレの男役群舞「Un sueno」は、今まで観たOSKの男役燕尾ダンスの中でも、
一番好きかも。
というか、音楽は2000年くらいの宝塚月組公演『BLUE・MOON・BLUE』の
フィナーレ男役群舞で使用されていた曲と同じ原曲だと思われる。
演出家は違うけど。
この曲は、確かにいいんだよね。 大成功でしょ。
気になったのが、1部2部共に娘役Sの不在。
朝香さんの立ち位置が、娘役トップではないのでそこが少し不満だった。
娘役トップ2人抜けた穴を、朝香さんと春咲さんとことりちゃんで埋めたってことか?
今まで2人いたトップ娘役だから、その立ち位置に誰かが一人でもいないと
その存在のなさを強く感じてしまう。
うーん。私がこだわりすぎかな。
そして、初日の勢いというものももちろん感じたが、荒さも目立っていた。
ダンスの動きの遅れなんか多かったし、いっぱいいっぱいな印象も。
表情も、どこか少し硬いように感じた。
ちょっとした小道具や衣装や、複雑な振り付けやらといろいろ大変そうだしなー。
でも、いつものように、これからどんどん益々充実した内容になるんでしょう。
これから約1週間、楽しみだ!!
ちなみに、私は明日・・・いや、今日の朝一で、九州に飛行機で旅立ちます。
明日公演観れないのが、残念すぎる・・・
(というか、はよ寝ろ)
追記:
公式HPに新舞台の劇団員さんたちのスターファイルが更新されています!!
今回は、とても素早いお仕事だったね!!(笑)
あ、そういえば、今回の春のおどりのDVDが発売されるそうですね。
・・・・・・。
まー、そりゃあ、もちろん予約の用紙をもらって、
家に帰ってから必要事項記入しましたが。
で、
昨年の春のおd(以下略)
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