全体的には、前回の方が私は好きだったな。
特に、レイエとかレイエとかレイエとか。
(これは、前回が素敵すぎたので、しょうがない)
あと、座席が下手の端っこで前から3列目だったので、
アンドレフィルマンコンビの小芝居がたくさん堪能できて、良かった!!
でも、その代わりに一幕最後のファントムの姿が
全く見えないという状況だったので、
それは非常に悲しかった・・・
アレ、何で見えないんだ?
では、各キャストの感想を。
●
情熱のファントム(佐野正幸様)
←すみませーん。役名間違ってますよー
今まで観た中で、一番の出来だったように感じた。
毎回思うのだが、
『オペラ座の怪人』の歌シーンで
クリス「今 ああ ファントム・オブ・ジ・オペラ~♪」
怪人「歌え! 私のために!!」
のところでの、体の下から上までなで上げる動きが、
もの凄く、凄まじく、色っぽい。
これだけを観るために通うぞ。私は。
その崇高で情熱的、妖艶な姿にひれ伏し、拝み倒すぞ。私は。
そして、その後にある這いずり近づきがまた可愛らしくてもー、
そのギャップがいいんだよ。
仮面を取られた時、クリスティーヌの顔に触ろうとするんだけど、顔を見られそうになって
怯える様子だったりと、やはり小さな芝居が上手い。
あとは、最後の対決の場面。
腹の中で、怒りや悲しみが煮えくり返っている様子や、
空虚に無我夢中にクリスティーヌを求める様子に、胸が熱くなった。
そして、クリスティーヌが去った後、悲しむファントムの息遣い。
子どもっぽさを少し感じさせる嗚咽が、ファントムの心の未熟さを感じさせる。
嗚咽は、その幼い心が大切なものをなくした時に出す悲鳴のごとく、
ファントムの口から搾り出されていく。
な゛ああああああああああああ。
これを泣かずして、いつ泣けと言うのかあああ。
バスタオル一丁おくれーーーー!!
今回も、私の心を揺さぶってくれた佐野ファントム。
心から、感謝だ。
●クリスティーヌ(佐渡寧子さん)
佐渡さんのクリスティーヌを観るのは初めてだったのだが、
とても大人っぽいクリスティーヌだった。
声が柔らかくて、落ち着いた雰囲気。
基本大人っぽいんだけど、ファントムの仮面を取ろうとする時は、
イタズラっぽい表情をしていて、
ははぁーん。コイツ、隠れ小悪魔系か。
と納得。
そして、『ザ・ポイント・オブ・ノー・リターン』でのアダルトな色っぽさには、
「やべえ。観ちゃった。どーしよって、あ、でも私成人じゃん★」
と、焦ってしまう。(後半の思考がおかしい)
一見穏やかで大人な雰囲気だけれど、隠れ小悪魔系レディのクリスティーヌ。
これはこれで、なかなか面白かった。
●ラウル子爵(岸佳宏さん)
この違いは、意外と大きかった。
北澤ラウルと岸ラウル。
岸ラウルは、すごく優しいし、柔らかい。
それに、そこまで暴走しない。
北澤ラウルが
「よっし!クリスティーヌ!行くぞ、二人の愛の世界へ☆」
とぐいぐい強く引っぱっていくのに対して、岸ラウルは
「大丈夫、僕がついているから・・・。
いつも一緒だよ。」
と寄り添う雰囲気。
いやー。
男性としての理想は、明らかに
岸ラウルに軍配だよな。
愛情豊かにクリスティーヌに接している様子があり、
クリスティーヌを包み込むような雰囲気だし。
これは、クリスティーヌがラウルになびくのも、しょうがないよなーと思える。
ファントムにはすまんが、岸ラウルはいい奴だ。クリスティーヌは彼に任せたまえ。
ところが、原作の『オペラ座の怪人』を読んだ私にとっては、
ラウルは少し子どもっぽいところがあって、良くも悪くも猪突猛進で、
暴走魔というイメージが強くあるので、
(コレはひょっとして、北澤ラウルに植え付けられたイメージか!?笑)
正直にいうと、岸ラウルはラウルの雰囲気とは外れるように思う。
(だから原作読んだ時は、ラウルに惹かれるクリスティーヌが理解不可能だったワケだが)
また、最後の対決の場面では、技術的な問題かはたまた声量の問題か、
はたまた私がファントムに夢中すぎたか(一番有り得るかも)、
ラウルの迫力不足を感じた。
優しすぎるのが仇となったか!?
優しいからこそ、その場面では胸に込み上げる切ないクリスティーヌへの想いや、
ファントムに対する怒りをドカンとぶちまけてほしかった。
今まで3回観て、最後にファントムがクリスティーヌを許したのって、
怪人「ラウルはけしからん奴だけど、クリスティーヌのラウル大好きって想いを感じた・・・」
という思いなんだって解釈があったけど、今回観ていると岸ラウルだと
怪人「うわー!クリスティーヌとラウルの両思いが伝わってくるんやけど!!」
っていう感じになるかなーと思っていたんだけど、
それになるには、最後の迫力がちょっと足りなかったかな。
岸ラウルとクリスティーヌが結ばれて、良かったわねーご両人と感じた今回だが、
一方で、北澤ラウルの良さがよくわかった。
北澤さん、今まで評価がそんなに高くなくてごめんね(笑)
●カルロッタ(種子島美樹さん)
カルロッタらしい濃いおばちゃんキャラがよく出てた。流石。
やっぱり、キャラがハマっているのは、種子島さんだ。
ただ、諸さんが歌上手すぎなので、どうしても歌で物足りなさを感じることも。
でも、あのキンキン声がカルロッタには似合っているんだけどね。
●ムッシュー・アンドレ&ムッシュー・フィルマン(寺田真実さん・小泉正紀さん)
やっぱり、最高。
芝居が上手い。
個人的には『イル・ムート』の劇中、ボックス席で観ている二人の様子がツボ。
アンドレは、ノリノリで音楽に合わせて体を動かしながら、
指揮者のように指を振っている。
一方のフィルマンは、まぁ最初の方は「へー」って感じで観てはいるけど、
あくびなんかしちゃって、次第にまぶたが重くなり、しまいには船漕いで眠っている(笑)
で、舞台でのカルロッタの異変にアンドレが驚いて、フィルマンを呼ぶんだけど、
ぐっすり舟漕ぎ中かよをい!!Σ(゚Д゚≡゚Д゚)ノシ(´¬`).。oO
ということで、揺さぶられて起きるフィルマン。
「え、ナニ?何かあったの?」という感じだが、ただ事ではない舞台を見て
じわじわと状況に気づいていく;
ここのちょっとした演技が、絶妙。
後日、またオペラ座の怪人を観る機会があれば、
是非アンドレとフィルマンの動きを徹底的に見てみたいな。
メグ・ジリーの宮内さんやマダム・ジリーの秋山さんは、まぁ前回と一緒。
メグなぁ・・・。ごめん。今回もあんまり印象に残らなかった。
というか、あんまり見れなかった(涙)
総評としては、
岸ラウルを通じて、また違う『オペラ座の怪人』を観れて楽しかった。
あと、下手前はアンドレフィルマンコンビファンにとっては、
聖地。
でも、一幕最後のファントムは、歌声だけ聴いて姿は脳内処理という事態に。
しばらく、『オペラ座の怪人』を観る機会はないので、寂しい・・・
でも、またいつか、絶対に観に行きたい!!
[2回]
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