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セイなるカンゲキロク

~舞台・芝居などの観劇記録です。OSKや劇団四季が中心かな?~ 
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OSK武生公演の2部感想。



2008年OSK武生公演
『越前に咲いた華~夢と幻想の物語』




第二部
『カレードスコープ』

作・演出・振付:芹まちか


高世麻央 桐生麻耶 貴城優希 牧名ことり 折原有佐 他


※ネタバレ満載です。


 






2部は、意外と適材適所を感じたところが多い。
皆さん器用にいろんなことをこなせる人たちだけど、『あきんど』と『フィエスタの夜』の
キャストのハマリっぷりは、素晴らしかった。

ただ、素敵な群舞の場面があまりなかった。 群舞不足。
『フィエスタの夜』も、最初は素敵な踊りなのに途中で急に芝居になっちゃうし。
全体的に、2部も歌がメインになっているところが多い印象。



●第一景 オーバーチュア

かっこよく「オーバーチュア」とか書いてあるから、四季の『オペラ座の怪人』とか
『ウェストサイド物語』のように、美しい幕開けに向けての展開がされるのかなーとか
思っていた。


まさか、
キャンディキャンディになったゆいちゃんが出てくるとは。


あらすじは・・・
少女ゆいちゃんは、お父さんが仕事で家族旅行に行けなくなって
悲しんでいる様子。
そんなゆいちゃんに、蒼音さんがカレードスコープ、万華鏡を渡す。
その万華鏡を覗いてみると、そこには夢のような世界が・・・
いう内容。

万華鏡で覗いた向こうに、夢のようなレビューの世界が広がっているという展開は、
とてもいい流れだ。
ただ、キャンディキャンディのメルヘンなかっこうをしているのに、悲しんでいる理由が
父ちゃんの仕事のせいで家族旅行に行けないっていうのは、
ものすごく現実的かつ現代的で、正直そこんところにズレを感じたのだが。
他の景を考えても、時代が昔に遡っているものが多いしね。

どうせなら、
「ニールとイライザが私をいじめるの」とか、
「丘の上の王子様に会えなくて悲しいの」とか、
もうちょっとゆいちゃんのメルヘン少女キャラに会うような設定にすればいいのに。


それにしても、ゆいちゃんの少女演技が、素晴らしい。 流石だ。
個人的には、そばかすをつけてほしい!!

あと、蒼音さんと紅さんが、MCから優しいおぢちゃnお兄さんと、お姉さんの役に
切り替わるのが、妙に楽しい。
特に蒼音さんなんか、先程まではMCの劇団員だったのに、一瞬でさらっと爽やかな
お兄さんになっちゃうからね。 
あと、蒼音さんって、柔らかい声がやっぱり魅力的だ。
そして、ゆいちゃんを優しく見守る紅さんの眼差しが、胸にきゅんと来る。 
ここは、3人の役者っぷりを感じさせられた。


ちなみに、オーバーチュアって訳すると「序曲」っていう意味なんだけど、
この場合は『崖の上のポニョ』の曲ということか?

・・・いや、MCはやっぱり景に入らないか。
紅さんと蒼音さんのMCは、落ち着いていて好印象だったかな。
どちらも笑顔が素敵。

それにしても、もうポニョを取り入れるとは・・・見事に流行に乗ったな。
私は、もうちょっと正統派の歌を歌ってほしかったけどね。
客受けはいいだろうけど。



●第二景 オープニング

煌びやかな、OSKレビューのオープニング。
変なことをさせない、普通の正統派ダンスの振付で、とても良かった。

みんなでの群舞の後、高世さんと折原さんとのデュエットがある。
ことりさんとのデュエットを予想していたから、ちょっと驚いたんだけど、
これが非常に素敵なデュエットだった。

高世さんと折原さんの幸せオーラが、客席を包み込んでいたね。

何というか・・・、私はあまりに素敵なデュエットに感動してしまって、
「折原さんが・・・嫁に行ってしもうたー(涙)」
という、訳の分からん心理状態になっていた。
お 前 は 親 父 か 。

しかし、アレは嫁入りデュエットだと思うな。 雰囲気が花嫁と花婿だった。



●第三景 あきんど

昔の日本。商店で働いている子どもたちが、朝早くから働いている。
この場面で出てくるのは、仕事がだるくて嫌がっている様子の子どもたち。
そんな子どもたちが、だるさを紛らわそうとふざけあったりケンカしたりと
次第にエスカレートしていき、番頭も巻き込んだどんちゃん騒ぎになる。


この場面。 レビューの中のコメディ場面としては、最高に面白い。
老若男女を問わず、みんなが楽しく笑える。
何回観ても、何回も笑える。

十円ハゲが魅力的な桐生坊や(末吉)の動き、表情は、どこを取ってもイタズラ好きの
ガキンチョそのもので、ちょっとした仕草であっても全てがツボヒット。
母も、「こういう悪ガキって、本当にいるよね~」としみじみ言っていた。

ことりちゃん(お花)も、そんなイタズラガキンチョに振り回されて、自分もムキになって
イタズラ合戦の波に乗り、やりあう元気で活発な女の子を好演。

そして、店主の貴城さんは、基本的にのほほんとした性格が災いして、
時々怒りながらも子どもたちにかわされて、どんどん子どもたちのケンカに巻き込まれ、
翻弄されて、最後にはブチ切れる役どころを、とてもユーモラスに演じていた。
貴城さんだからこそできる表情、動きをたくさん観させてもらえて、本当に良かった。

若手たちが演じる他の子どもたちも、みんな魅力的だった。
あやと君とめいちゃんの表情が、特に印象に残っているかな。

とにかく楽しいこの場面。 今回の公演の中でも、オススメの場面だ。
一見の価値あり。



●第四景 フィエスタの夜

町でスパニッシュを激しく踊る男と女たち。
高世リカルドは、そこで3年前恋仲だった人にそっくりの女性を見かける。
そう、3年前・・・
踊り子の折原マリアとリカルドは、互いに愛し合っていた。
幸せだった二人であるが、マリアを愛する踊り仲間の貴城レオンは、マリアを
諦めることができず、その想いは悔しさ、怒りによって歪んでしまう。
そして、レオンは銃でマリアの命を奪う。 自らの命も。
二人の死に、仲間たち、そしてリカルドが悲しみに暮れた3年前。
そして、時間が経って現在。
マリアにそっくりな女性を目の前にしたリカルドの胸から、3年前の喜びや
悲しみなど、様々なマリアへの想いがあふれ出た。 
しかし、彼女は別人。
リカルドは、マリアとの喜びに溢れた美しい思い出を胸に、歩いてゆくのだった。


物語は、いいんだけど。
もっとそれらをショーとして、魅せてほしかったな。
踊り子たちの踊りが終わるとずっと芝居になってしまい、
「あれ。ショーなのに物語を踊りやダンスで表現してくれないの?最初の踊りは、単なる
【踊り子たちの踊りのシーン】だったわけね」という感じ。

要は、プチミュージカルな場面だ。
でも、短時間でこの内容のミュージカルをやるのは、難しかったのでは。
リカルドとマリアの愛し合っている様子がほとんどなしに、銃でバーンとレオンに
撃たれちゃうところなんか、唐突すぎる感じは否めないし。
踊り子たちのショー部分が良かっただけに、非常に残念。


高世さんのスパニッシュの踊りは、本当にかっこ良い。
昨年の武生では、高世さんはこんな切れ味鋭いかっこいい振りがなかったので、
今回武生で観れて、非常に嬉しい。

折原さんのマリアは、セリフの言い方、立ち居振る舞いのかっこ良さ、リカルドへの
情熱的な愛情表現、眼差しなど、色っぽくて魅力的なマリアを好演していた。

貴城さんのレオンは、マリアを愛しすぎて暴走して凶行に及んでしまう、迷惑野郎。
盲目になって、「こうするしか、ないじゃないか!!」と死の道を選択してしまう
ヘタレで危険な雰囲気が、なかなか似合っている。(褒めてます)
公演重ねていく内に、もっと盲目に暴走したレオンになるんじゃないかな。
貴城さん、本当に毎回いい味を出してくれるなぁ。

あと、踊り子では瀬乃さんが色気とパワーが凄まじくて、ついつい目が行ってしまう。
真麻さんの掛け声が良い。



●第五景 FINAL STAGE


・桐生さんの歌 with ことりちゃんと貴城さんのデュエット

ロケットよりも、先にこっちだったと思うんだけど・・・違ったら、ごめんなさい;

真ん中に立つ桐生さんの圧倒的な存在感。 
キラキラの紫色(?)のスパンコールの衣装が、とても似合っていた。

バックで踊る貴城さんとことりちゃんも、綺麗だった。


・ロケット

蒼音さんがロケットボーイ。
最初にロケットガールの真麻さんとちょっと踊るんだけど、それが非常に魅力的だった。
スラっとした足が強調されたダルマ姿の真麻さんは、最高に美しかった!!
後ろに座っていたおばちゃんたちも、テンション最高潮(笑)
(テンション上がるのはいいけど、わざわざ「足上がった!!ほら、ほら!!」
「いやぁ~~、足長いねー」「ねー」などと、ロケットを実況中継するのはちょっと・・・)

衣装も振りも良い内容で、「やっぱり、OSKのロケット観てると元気になるわー」
という思いを抱いた。
足上げるのが、もうちょっと多い方がいいかもしれないけど。


・ラテン

ラストがラテンって、なかなか珍しいのではないかな。
でも、気分が高揚するし、良い内容だったから楽しめたかな。
何故か、完全には盛り上がれなかったけど。 客席降りがなかったから?(笑)
みんなで踊るラテンって、迫力あるし盛り上がるし、いいよね。

そのまま『VIVA!OSK』のパレードっていうのには驚いたけど、
もういいぜラテンで盛り上がったんだからよーヒャッホーーーー★
(すんません、頭おかしいのは元々ですが、長時間書いててオーバーヒート気味で
更にテンションおかしいです)


細かいところは、また今度~~。
ひとまず、最初の場面ごと感想はここまで!!




全体的な総括。

1部2部とも、メインの場面や山場は特にない。 
しかし、公演自体悪くはないし、楽しめるシーンはある。
そして、折原さんが女神的な美しさを発揮する公演だった。

劇団員さんたちはとても輝いていたし、これからがまた楽しみ。



折原さんは、ことりさんと同等のトップ娘役という感じ。
二人娘役トップ体制だね。


ちなみに、家族の感想は・・・


母感想 「可愛い子が多いねー。
      で、今回は何でセクシードールズがないのよ。
      (↑昨年武生公演での娘役6人組)
      せっかく可愛い子がいるのに、娘役メインの場面がないのは、残念すぎる。」

弟感想 「あきんどの場面は、今まで観たOSKの中で一番笑った。
      (↑今まで観た中って、そんなに観てないだろ!!)
      公演の出来は、高石公演より断然マシ。
      1部は、大きな耳たぶ(継体天皇の髪型のこと;)の去年よりも、
      今年の方がいい。
      全体的には、無難にまとめてきた印象。可もなく不可もなく。
      若手が、すごく前に出ているよね。 勢いが凄い。
      あと、汐音さんには伸び代を感じる。 これからが楽しみ。」


両方とも、私も非常に同感。
OSKで娘役メインの場面がないというのは、如何なものか。
汐音さんのことは、私も春のおどりか南座で書いたけどね。
弟もそう感じるとは、びっくり。


ちなみに今回の公演では、チラシだけではなくパンフレットの販売もしている。
これは衝撃的だった。 チラシだけじゃなかったのね。
今年の武生は、違うなぁー。
ただ、公演の内容や流れはチラシの裏面の方がよく分かるから不思議★
内容のほぼ全部がカラーページであり、個人写真は南座とかのパンフレットと一緒。
歌詞が書かれていること、稽古写真が載っていることなどは、素晴らしい。


せ、1000円だけど、みんなで買おう!!(血涙)



それにしても、観劇料600円は、安すぎ。

歌劇ファンなら、観ておくべきですぜ。
もちろんファンでなくても、間近で劇団員さんたちの踊りや歌を堪能できるこの公演は、
本当にお徳だから、観ておくべき。

私たち家族のように車で来たなら、
1回目観劇 ⇒ そばを食す ⇒ 温泉に入る ⇒ 3回目観劇
というコースも、武生を満喫できてオススメ。


OSKとおそばと温泉と、武生ののんびりした土地柄を楽しめる
たけふ菊人形

11月9日(日)まで、開催中!!


みんなでぶらっと、武生へGO!!


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