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セイなるカンゲキロク

~舞台・芝居などの観劇記録です。OSKや劇団四季が中心かな?~ 
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さて、数日前は
凄まじいチケット戦争から脱落したわけですが。

今日(4月5日)から梅田芸術劇場チケットカウンターにてエリザベートチケットが発売されるらしいです。
しかも、店頭販売だけですって。
無理。
平日っていう条件だけでも難しいのに、店頭販売ってのは無理だわ。
しかも、チケット販売状況見たら、土日はもう立ち見しか売ってないし。
改めて、エリザベートチケット争奪戦の恐ろしさを感じた。

あー。せめて、もう1回分のチケットがあれば、未来ゾフィーを更に堪能できたろうに。
(やっぱり一番の目的はそれ)
残念。




そして、今回は27日に観劇した星組公演の感想を書きます。

・・・数日前、書いている途中で、全部パーになっちゃったりしたんで、
こんなに遅くなってしまった(涙)

ブログの文章はこまめに保存しておきましょう・・・・・・・・(TдT)






さて、公演の方はというと・・・・。



いやぁ~~~~。

良かった。良かった。 とても楽しめました。



今回の星組公演は買いですよ、奥さん。


和物ショーとミュージカル、どっちも当たりだよ!!(感涙)


前回の花組公演を一緒に観劇した友だちと、今回も一緒に行ったので、
まさにリベンジという意味合いを持った観劇になったのだが。

おかげ様で、
今年入ってからの溜まりに溜まった
様々な芝居に対する鬱憤が晴れました。

ありがとう。 安蘭さん、遠野さん!!
そして、谷先生、児玉先生!!




そして、今回は、何と言っても席が良すぎた(鼻血)

こんな席じゃ、もうしばらくは観れないかも・・・。
危うく、幸せすぎて意識がぶっ飛ぶところだった。

しかし、ブログのことを想い、何とか意識を現世に留めておくように
必死に努めながらの観劇をしました(笑)




嗚呼。

楽しかった芝居の感想を書けるって、何て幸せなんだ・・・・☆





でも、今回は1部和物ショー・2部ミュージカルという構成なので、

まずは和物ショーからの感想を書きます。








宝塚舞踊詩
『さくら』
-妖しいまでに美しいおまえ-

作・演出 谷正純


宝塚歌劇星組公演 宝塚大劇場

安蘭けい 遠野あすか 柚希礼音 他



[解 説]
 見事に咲き見事に散る、その潔さが日本人の心を捉えてやまない「桜花」。その妖しいまでに美しい世界の中で、愛を、生命を謳歌する人々の姿を描いた舞踊詩。この公演は星組新主演男役・安蘭けいを中心とした新生星組の宝塚大劇場お披露目公演。






今回は、本当にいい席だったので、開演前から興奮して、はしゃいでしまった。




ををををを。すぐ目の前に舞台があああ(充血)
DSCF1167.JPG



真横を見ると、花道に美しい桜の背景が!(鼻血ぶー)
DSCF1168.JPG



すげえええええ。オケボックスと銀橋と階段!!階段があるぞ!!
これをいろんなスターさんたちが上ったり下りたりしているわけだ!!
上ってみたいいいいいいいい!!!(吐血)
DSCF1169.JPG


SS席は、やっぱり凄いぜよ☆(血涙)



・・・というわけで、
興奮と流血がいつまでも尾を引いているわけだけど、そろそろ本題に入る。
まずは、安蘭さんと遠野さんコンビについて。

この人たちの気持ちのいい晴れ晴れとした笑顔を見ていると、
2人ともやっとトップになれたんだなーとしみじみと感慨にふけってしまった。

遠野さんはずっと2番手娘役のポジションで活躍していて注目していましたが、
遂に1番手娘役に。
可愛らしかったり、色っぽかったりと変幻自在な踊りや演技が大好きなんです。

一方、安蘭さんは初めてビデオで雪組公演を観た時に、
「あ。この人いい」と思った人だ。
たぶん、宝塚の生徒さんの中で、初めて気に入った人。(大大ファンというわけではないが。)
ちなみに、その時の公演は97年の『レ・シェルバン』で、当時3番手の位置にいた。
特に、その公演での『エル・クンバンチェロ』の銀橋でのシーンは
若手とは思えないくらい堂々としてかっこいい立ち姿だった。
その後、組構成が変わって4番手や3番手、2番手でずっと活躍していたけれども、
トップに近いと昔から注目されつつも、なかなかトップになれなかったわけで・・・。

そして、昨年遂に男役トップに。
真ん中に立っている安蘭さんを見ていると、
やっとこの瞬間を見れた・・・と、感慨も一塩。
安蘭さんファンの皆さんは、どれだけこの時を待っていたでしょうね。
思えば、『エル・クンバンチェロ』でブイブイ言わせていた時から、
10年が経つ。
10年もの間、3→4→3→2?3?(新専科制度や組移動体制によって、2、3番手の辺りをうろうろ)→2番手と・・・。はぁーーー。

まぁ、今はトップになれたことを大いに喜びましょう。



さて、今回は宝塚ではやることが少ない和物ショー。
大劇場での最近の和物ショーは何だったかなーと遡ってみると・・・、
2004年の記念祝舞『飛翔無限』だよ。結構昔の話になる。
作・演出は植田紳爾。テレビでもちょっと放送されていたけど、
轟さんが優雅に舞っていたことしか覚えていない。

今回の和物ショーも、正直あんまり期待していなかった。
なんせ、宝塚の和物ショーって、単調で退屈なものが多いから。
でも、今回はメリハリがあってコミカルなシーンも入っていて、気軽に楽しめた。
気軽に楽しめた分、重厚で優雅なシーンでは、流れるような舞、丁寧な所作の隅々まで
集中して堪能できた。
谷先生はいろいろ芝居では不評に言われていることもあるけど、
和物ショーの演出はとてもいいよ!!
これからも、和物ショーは谷先生に頼んだらいいかも。



というか、パンフレットを見てビックリした。


振りに山村若先生がおられるんですけど。

若ーーーーーー!!!!
(NewOSKの2006年秋の踊りや武生公演での和物ショーの構成演出などをした偉大なお人)
今までも宝塚で振りをつけていたりしたのかな?
とにかく、この人選は素敵。
ぐっじょぶ。宝塚。

そういうこともあってか、はたまた最近OSKで和物ショーをたっぷりと観る機会が多かったからか、
今回は妙にOSKチックな和物ショーを感じてしまった。
いや、もちろん、OSKお得意の粋のいい大衆和物ショーというものとは
方向性がちょっと違いますけどね。

例えば、コメディシーン。
オペレッタ狂言なんて、めちゃくちゃOSKのやりそうなネタに思える。
あとは、優美でありながら躍動感も感じさせる振りも、
どこかOSKと繋がる部分を感じた。




さて、今回も1場面ずつ振り返ってみる。



~第93期初舞台生口上~

最初、ショーに入る前に、初舞台生による口上と歌(プラス舞)があった。
生で初舞台口上を観るのは初めてだからか、観ているこっちもちょっと緊張。
私が観た日の口上は、菜那くらら・蒼羽りく・花陽みら。歌は鳳龍あや。
蒼羽(そらはね)さんと鳳龍(ほうりゅう)さんが男役。
特に印象に残ったのは、蒼羽さん。
背がめっちゃ高い。足長ーい。顔もめちゃくちゃ男役顔。凛々しい姿が好印象。
ちなみにこの人は、芝居の方でもめちゃくちゃ目立っていた。





●第1場 妖しいまでに美しいおまえ

チョンパで照明が入るプロローグ。
やっぱり、チョンパはいい。
更に、安蘭さんがせり上がりでの登場。
チョンパとせり上がりのセットは最高。 これぞお披露目って感じだった。

雪組で鍛えただけあって、やっぱり安蘭さんの日舞は美しい。
遠野さんも、表情一つひとつが美しくて、動きも優雅。
柚希さんは、ちょっと肩に力が入りすぎているような感じ。
緊張しているのかな?

というか、今回のプログラムにこの場面の役名が
「桜花の若衆」(男役)、「桜花の美女」(娘役)とつけられている。

NewOSKの桜花さんがいっぱいいるって!!(-д-;)

と、ちょっと興奮しつつもビビッてしまった。
桜花さんの若衆でも美女でも、どんと来い!!でも、大人数で来られるとさすがに怖い。

あと、「桜花の若衆A」に柚希さん、立樹さん、涼さんがまとめられていたけど、
どう観ても「桜花の若衆A」が柚希さんで、他の2人は「桜花の若衆A'(エーダッシュ)」
という扱いだった。
・・・・・。立樹さん。トップが全てじゃないから。
応援しているよー!!これからも輝く男役さんでいてねー!!




●第2場 朱に染まる桜

1957年初舞台だけど、まだまだ現役バリバリで、
いつまでも美しい松本さんが登場。
(ちなみに、宝塚の公式HPには入団年が記載されていない。
1929年入団の春日野さんでさえ記載されているのに。なんでだろ?)
この人の日舞は、指先まで本当に美しい。
洗練された舞を、今回も堪能させてもらった。
そして、松本さんの衣擦れの音が聞こえる度に、
自分の座席が前の方にあることを感じて、非常に感動した。
というか、妙にこの場面での松本さんの衣擦れの音がよく聞こえた。
何かが衣に引っかかっていたのかな?



●第3場 墨染めの桜

墨染めの着物を着た安蘭さんと遠野さんのデュエット。
美しかったことは覚えているんだけど、夢心地だったので詳細はよく覚えていない。



●第4場 さくら絢爛

プロローグの締めという雰囲気のある、第1場と同じような場面。
・・・改めて近くから観ていると、宝塚って、人数多い。 圧倒されてしまう。
銀橋なんて渡られた日にゃ、もぅ興奮しまくり。

こうして振り返ってみると、ここまでの流れが2006年OSK武生公演とそっくりだと思った。





●節句人形 (第5場~第11場)

雛祭りも終わりの時期になり、
明日になると、暗い納戸の中にしまわれてしまうと嘆き悲しむ雛人形たち。
そこでひらめいたのが、次に出てくる5月人形たちを箱の中に閉じ込めて、
自分たちがずっと出ていられるようにすればいいという、めちゃくちゃな案。
早速、5月人形たちの箱に行って、外から縛り付けてしまう。
その後、この案に乗り気ではなかったお雛様(遠野さん)が、武者人形(安蘭さん)を助けに行く。
ところが、助けた直後にネズミたちが人形たちに襲い掛かってきて、
フランス人形やらおもちゃの兵隊やらまで巻き込んだ、はちゃめちゃな展開になる。



設定自体は面白いし、オチで武者人形とお雛様が雛壇の上でハッピーエンド、
その傍らで「お内裏さ~まと五人ばやし~~♪」が仲良く揃ってオチというのもいい。
五人ばやしに囲まれたお内裏様役の柚希さんの、
最後のほけーっとした表情が何とも可愛らしい(笑)

でも、
・・・・・・うーーーん。
コメディシーンとしては、私はあんまり笑えなかったかな。
まだ公演始まったところっていうのもあったかもしれないけど。
わーキャーどたばたどたばたーーと人形たちが騒がしく走り回るだけっていう感じ。
生徒さんたちは楽しませようとどたばたしてくれているんだろうけど、
うるさく走っているだけじゃ、あんまり笑いようがない。
あともう一工夫、それぞれ笑わせるようなポイントがあれば、全然違ってくると思う。
例えば、フランス人形とおもちゃの兵隊が出てくるところ。
出てきただけでも、違うの出てきたヨ!!Σ(´д`;)という驚きと面白さはあったけど、
フランス人形はただ逃げていくだけ。
おもちゃの兵隊なんか、ネズミの存在に気づかずにただ単に行進していくだけだからね。
(ネズミが兵隊の後について行進していくんだけど、微妙)
もっと上手く動かせば、面白いと思うんだけど・・・・。
演出の問題が大いに関わっているんだろうけど、
生徒さんたちがだんだんとやり込むことで、新しい笑いが生まれてくる可能性も大なので、それは楽しみ。

そもそも、常に敵役(?)のネズミの動きが気になった。
「ちゅー!」と鳴いて、群れになって武者人形たちを追いかけたり、襲い掛かったりするんだけど、
追いかけて困らせてやるー!とか、いたずらしてやるもんウヘヘヘーとかの
ネズミ自身の感情や思いが全然見えなかった。
何でイタズラしてるの?
とも、思ってしまった(笑)。そりゃあイタズラに目的なんてないかもしれないけどさ。
みんなほとんど同じ動きで、統制された軍隊もしくはロボットのようだった。
人形が物でネズミは生物なのに、人形に生物のような感情があって、
ネズミは物のように感情が見えないなんて、あべこべだ。
ひょっとして、そのあべこべをユーモアとして見せたかったのかな?
うーーん・・・。ドタバタコメディでじんわりユーモアを感じる・・・か。

どっちにしろ、この場面はドタバタコメディなんだから、
もっと大胆な笑いを取りに行っても良かったんじゃないかと思う。
ドタバタコメディはじんわりと感じるような笑いじゃないよ。
というか、ドタバタと舞台で走り回っている生徒さんたちと、笑えない客席との温度差が、
少し辛かった。

ちなみに、この場面と同じく「コミカルなシーン」として書かれているのが、
後にある16場の「オペレッタ狂言」。
狂言なので、とんちんかんな話のユーモアをじんわりと胸の中で味わう「笑い」だ。
なので、それぞれの異なる「笑い」を際立たせると、双方もっと楽しめると思う。
ということで、より一層「節句人形」では、ドタバタらしくもっと笑わせる勢いが欲しくなってしまう。
思いっきり地を出して遊んでいいと思う。


余談だけど、例えばドタバタのシーンで楽しかったのが、
95年雪組公演『バロック千一夜』での第3夜クラブ「アラビアンナイト」。
男役1~3番手までがカワイイ女の子たちを追いかけ回すんだけど、
娘役さん(五峰さん)を真剣な表情で本気ダッシュで追いかけた高嶺さんには、笑った。
みんなが楽しんでいる様子、自分をさらけ出して遊んでいる様子の生徒さんたちに、
観ているこちらも嬉しく楽しい気持ちになる。


笑いに厳しすぎるって?私も今、文章読み直してそう思いました(笑)
笑いのことになると、ついつい熱くなっちゃうんですよね。
すみません。
いろいろ書いちゃったけど、話の構成や流れ自体は気に入っている。
それにしても、
凛々しい武者人形の安蘭さんと可憐なお雛様の遠野さんのコンビに、うっとりした。
ちなみに、最初の方で「だぁ~~ばだ~ばぁああ~~♪」と嘆いている歌は、
かなり面白かった(笑)




●竹灯籠 (第12場~第15場)

静かな時、空虚な雰囲気漂う空間。
今宵は灯籠祭り。甦った平家武者が桜とともに生きてきた思い出をしのび、歌い舞う。
平家の落ち武者と白拍子の悲しい恋物語。


最初に、灯籠を頭に乗せた着物姿の娘たちが、上手下手双方の袖から
ゆったりと踊って歩いてくるんだけど、一番奥の壁面が全部鏡になっていて、
鏡の奥でも娘が踊っているという、とても神秘的で不思議な光景だった。
更に、舞台上の方には緑に光る竹があり、
その竹のどこか冷たくもおぼろげな光と、ゆらめく灯籠の温かな光が、
鏡の向こうにどこまでも続いていくような果てしない奥行きを感じさせてくれる。

ここの舞台装置や大道具小道具は、本当に見事。
盆が回っている時に広がったりこちらに迫ってきたりする竹の置物の存在もいいし、
上から降ろされている光る竹が、
その時々で緑から紫に近いピンクなどに色を変えていく様も、本当に美しい。
それらの織り成す舞台空間の美しさに、感動した。


神秘的な雰囲気の中、せり上がりで落ち武者だとは全く思えない安蘭さんが
華麗に登場。
その後白拍子がせり上がりで登場。
おおおおおお。この素敵な雰囲気の中、遠野さんとのデュエットか・・・!!

そうして、胸をときめかせていると、美しい姿の白拍子さまが登場!!


















  松 本 さ ん で す か 。


いや・・・・・。松本さんの舞も、めちゃくちゃ好きですよ。
でも、こんなに素敵な舞台ができているんだから、是非トップコンビで出てほしかった;

その後、切ない音楽の中、2人が美しく儚げに舞い、突然の別れが訪れるという流れ。
象徴的なシーンなので悲しい恋物語の詳細はよくわからんが、
情緒豊かに舞う姿は、さすが安蘭さんと松本さん。

別れの後、切なく安蘭さんが歌い、また落ち武者の魂は眠りにつく。
そして、後に残るのは、眠りについた後再び出てきた娘たちのどこか悲しげな踊る姿と、
暗くなった中でもずっと揺らめき続ける灯籠だった。

この終わり方も素敵。
最初と最後は同じ景色だけど、観る側の心情が違うから、更に物悲しく見えてしまう。
娘たちが踊っている中で、ライトがフェードアウトして、
頭の上の灯籠だけが最後まで光っているっていう展開も、
物語の余韻を深く効果的に残してくれて素晴らしい。

とにかく、胸がきゅんと切なくなる場面だった。

ただ、少し安蘭さんのせり上がりとせり下がりがしつこく感じたかな。
そんなにしょっちゅう上がったり下がったりせんでもいいと思うんだけど・・・。




●第16場 オペレッタ狂言 花折 

狂言「花折」をオペレッタ風に舞台化したコミカルなシーン。

ということだけど、
要は、檀那(立樹さん)を始めとする花見に来た人たちが、桜のある寺の入り口で通せんぼしている山法師(涼さん)をとんちを働かせて丸め込み、中に入って花見を楽しむという物語。

ちょっと分かりにくいところもあったけど、明るくて楽しい場面だった。
ぱあっと明るい笑顔を振りまく立樹さんがいい。
酔っ払った涼さんはカワイイ。
やっぱり毬乃さんは、歌がうまい。




●さくら (第17場~第20場)

人目にふれることもなく、咲いては散る運命の深山の桜が、風に運ばr ・・・・・・て、
こんなパンフレットの解説、正直どうでもいい。
むしろ、無視。
とにかく、この場面は理屈抜きで、自分の感性を頼りに観るのが一番。


何と言っても、このシーンの完成度が非常に高かった。 衣装や構成や、何もかもが。

幕が開いて、ぶわっと光り広がる桜色の景色。
舞台全体に降ろされたたくさんのすだれ(?)桜。
そして、真ん中に立つ大きな樹。
その木の後ろからスっと安蘭さんの腕が出てきた時のときめきは、凄まじかった。
木の精・降臨
って、思いましたよ。

その手がゆっくりと上から下に開かれ、するすると零れ落ちていく桜の花びら。
桜の精・降臨
って、思いましたよ。

満開の桜の中、いろんな人たちと共にトップコンビは入れ替わり立ち代わりで、
袖に引っ込んだり舞台に出てきたりする。
そして、とにかく舞う、舞う、舞う、舞う
舞っては、袖の中に隠しているのであろう桜の花びらを、
手の平からするすると舞い落とす。
舞い落とす、舞い落とす、舞い落とす。
激しくも美しい舞いと、はらはらと舞い落ちる桜を見ては、気分が高揚していった。

最初から華やかだったのに、更にどんどん盛り上がり、桜の花びらもどんどん舞う。
曲や場面全体の盛り上がりと共に、どんどん降ろされていたすだれ桜が上がっていく。
そして、全部の桜が上がり、舞台が開けると、更に明るく照らされた舞台に
たくさんの桜の男や女たちが舞い踊る。
舞台も客席も、興奮が最高潮に達する。

そして、その最高潮がしばらく続いて、舞台の幕が下りる。
それにしても、静かでどこか儚げで美しい始まりから、ここまで大いに盛り上がられると、
興奮&感動が怒涛のように押し寄せて来て、観終わった後も暫しボーゼンとしてしまった。

これぞ、桜の舞の集大成。

新しい安蘭遠野時代の幕開けを、見事に華やかに彩る、素晴らしいフィナーレだった。
この1場面だけでも、観る価値は充分にあった。

 ↓
(ちなみに、パンフレットでのこの場面の解説は以下のもの。
『人目にふれることもなく、咲いては散る運命の深山の桜が、風に運ばれてきて鬱金(うこん)色の桜とともに旅し、大勢の仲間たちがいることを知り、短くも美しく生き抜こうと歌い舞う。
“一竹辻が花”の衣装が一層華やかさを盛り上げる』
あんまり好きな解説じゃないから、敢えて書きたくなかった。
どこか説教臭くないですか?)




このショーの全体的な総括としては、


・音楽が良い。雅な雰囲気を劇場全体に広げてくれる。
 また、演歌調の歌は、安蘭さんとの相性バッチリ。

・衣装が全部美しく、とても豪華。 
 全部いいけど、何と言っても一竹辻が花が素晴らしい。
 (衣装を手がけている有名な久保田一竹さんについて、詳しくは久保田一竹美術館へ)

・軽い場面と重厚な場面とのバランスがいい。

・『舞踊詩』ということで、確かに場面によっては詩的で情緒豊かな世界が表現されていた。

・舞台の隅々までうまく使い、いろんな道具や舞台装置の使い方も丁寧。

・テーマである『桜』を効果的に様々な場面や衣装、舞台美術などに用いていて、
 お披露目に相応しい、素晴らしく華やかな舞台に仕上がっていた。

・トップ2人が魅力的。


という感じかな。
あと、「妖しいまでに美しいおまえ」っていう副題がイカす。


谷先生は、和物ショーの道を極められたらいいと思います。

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