それにしても、
なんともまー、安っぽいグランド・ロマンスがあったもんだ。
グランドにもロマンスにも、失礼だよ。コレは。
観終わった直後、
私「ぐ ら ん ど ・・・?」
友「ろ ま ん す ・・・?」
二人「ど こ が ・・・・・???」
と息ぴったりに言ってしまったくらい、ひどい内容(笑)
作品の解説は以下の通り。
[解 説]
これまでにも様々に映画化、舞台化がされている江戸川乱歩作「黒蜥蜴」。宝塚版では、時代を先の大戦後に移し、憂いを秘めた名探偵・明智小五郎と、洋装から和装へと変幻自在に姿を変える女賊・黒蜥蜴とのスリルとサスペンスに満ちた物語を展開、三島由紀夫版とは違う宝塚歌劇ならではの結末へと進んでいきます。
探偵・明智小五郎は、宝石商の岩瀬に雇われる。娘の早苗を誘拐すると、岩瀬に予告状が来たためであった。早苗と親しい緑川夫人(実は怪盗・黒蜥蜴)は、明智に賭けを申し出る。もし早苗が誘拐されたら、明智には探偵をやめてもらう。そしてもし明智が賊を捕らえたら、自分の宝石をすべて差し出そうと。探偵と怪盗、両者による奇妙な賭けが成立する。
緑川夫人が早苗を自室に誘う。緑川の手下・雨宮は早苗を薬で気絶させ、大きなトランクに押し込む。その間に、緑川夫人は早苗に変装する。今夜2時に早苗をさらうという電報が届く。岩瀬は早苗ならベッドで寝ていると一笑にふす。しかしベッドには人形の首が。早苗はさらわれた。一同は明智を責める。
そこへ一本の電話が入る。明智は勝利宣言をする。明智はホテルの周りを警備させ、早苗を保護したのである。賊を逃がしたとあって、岩瀬は残念がる。しかし明智は、緑川夫人こそ真犯人だと言う。緑川夫人が戸惑うとき、小林少年、波越刑事達の元へ、早苗が戻る。黒蜥蜴、絶体絶命!だが女賊は不敵に問う。黒蜥蜴は拳銃を掲げて去る。
夜の東京。黒蜥蜴を追う人々。そんな中、明智は、不思議な胸のときめきを覚えずにはいられなかった。明智と黒蜥蜴の戦いは……。男の名探偵、女の怪盗、二人が迎える結末とは……。
・・・いきなり、こんなとこからツッこみたくないんだけど・・・、
微妙な解説やなー (´д`;)
どうせ、この解説書いたのもキムシンやろうなー。
文章力なさすぎだよ。
「黒蜥蜴、絶体絶命!」って、
サムいよ。 サムすぎるよ(涙)
コメディだったらまだ許せる範囲かもしれないけど、
推理モノで、コレはないでしょ。
作品を伝える解説から、いきなり北風吹かせてどうするのよ!?
まぁ、当然のように作品自体がブリザード状態ですが(笑)
あんまりにツッコミどころが多いので、
いくつかの場面を順に思い出しながら、この作品をブっ刺していきたい。
●第1場 銀座・クラブ「黒蜥蜴」
最初から微妙だったのよ(笑)
いきなり1場からツッコミたくないんだけどさ・・・。
幕が開いて、戦争の時の黒トカゲの記憶のシーンが少し流れる。
そして、クラブのカウンター前に黒トカゲがいる。
突然雨宮くんが助けを求めにやってきて、その後開店して入ってきた客の中に
明智小五郎がいて・・・
ていう流れには、そこまで問題はないんだけど、
展開の仕方がまずい。
「唐突に始まった!」という興奮を味わわせるのが狙いだろうけど、ぬるすぎる。
全然そんな興奮を味わえず。
「あ。いきなり始まったわ。あれが黒トカゲ、へー・・・て、雨宮くん。
はー。あ。小五郎きたよ。ふーん。・・・」
て感じ。
いつの間にか始まって、そのまま「舞台の始まりさ!」的な盛り上がりもなく、
次々と話が進められていった。
クラブなんだから、もっと派手な歌や踊りで盛り上げてくれるのかと思いきや、
とっても地味。
そもそも、主人公明智さんの登場も派手なんだか地味なんだか、
とっても微妙やしね。中途半端な登場はやめよう。
舞台において、特に宝塚では芝居のオープニングって、
そのストーリーの中に観客を引き込むためのとても大事な部分なんだけど、
歌も踊りも中途半端で地味という、見事な肩透かしだから、とても痛い。
タイトルの紹介なしに映画が進められていくようなもんだよ。
ただ、この場面での黒トカゲのセクシーな衣装と黒トカゲタトゥーは必見。
コレをしっかり見ないと、他の見所がない為に後悔する羽目になる。
オペラグラスでしっかり見ておきましょう。
●第2場、第3場 銀座・ホテル
本っっっ当に、
キムシンは舞台や群集の使い方が下手だということを改めて思い知らされる、迷場面。
舞台の手前がロビーで、奥の方の高い壇の上が誘拐事件の起こる客室なんだけど、
第2場はまだロビーがメインだからいいとして、第3場ではこの舞台構成は拙すぎる。
だって、事件が起こるという大事な場面にも関わらず、
それが奥のほうで繰り広げられているんだから。
すんごい疎外感。
ロビーでは、明智さんがただソファーに座っているだけだったり、
警察が時々やってきたりという動きしかないのに。
ロビーの空間の必要性を全く感じないんだから、
客室前の空間がぽっかり空いた雰囲気に感じられて、とても無駄。
せっかく、大劇場には花道とか銀橋とかの便利なところがあるんだから、
それを生かそうよ・・・。
例えば、第2場が終わってから、ロビーのソファーを花道の方か、もっと前方に移して
客室の壇を前方に押し出すとか。
どうせ、ロビーの方で群集を使いたいから、こんな形にしたんだろうけど、
この群集の使い方が、舞台の使い方と同じくらいかそれ以上に下手なんだよ!!
今回の群集さんいらっしゃーいは、ホテルのボーイとメイドさんたちでーす。(萌えー)「仕事に飽きたー♪」と大合唱したり、突然わはははーと笑いながら颯爽と去っていったり、
盆が回って斜め横視点になった客室の周りに椅子を並べてじーっと客室を見つめていたり・・・て、
何 が し た い ん だ よ 、 キ ム シ ン orz
もぅ、ボーイやメイドが気になることばっかりするから、気が散るのよ!!
あんたら、確実に明智さんより存在感あるよ。
いきなり笑い出した時には、あまりの可笑しさに背筋が凍ったわ。
ちなみに、周りでも失笑している人たちが多かった。
あと、10人くらいの警官やら探偵やらに囲まれた黒トカゲが逃走するシーン。
黒トカゲが拳銃を真上に発砲しただけなのに、
一斉に皆さん怯えてしゃがみ、
その横をスムーズに黒トカゲさんが逃げておられましたね。
警官や探偵の皆さん・・・。
間抜けにも程があるだろ。 無能だよ、無能!!
圧巻でしたよ。
黒トカゲの逃げ方ではなく、
申し合わせたかのように一斉にしゃがむ警官たちの間抜けっぷりは。
ホテルの一室で、周囲1m範囲内で
何人もの警官が囲んでいて、逃がすなよ。
手にある拳銃は、飾りですか。そうですか。
そして、その違和感満点の状況で、当然のようにすたすたと逃げる黒トカゲ。
あんたも大概やな。
ヒロインであるはずの黒トカゲサマでさえも間抜けに見えるんだから、
悲しくなる。
お願いだから、自分のためにも警官の未来のためにも、
そ ん な 逃 げ 方 は し な い で ・・・(涙)
●第5場 岩瀬邸
はい、来ました。
このシーンで、名曲登場。
わがままなニセの早苗(葉子)にねだられて、
波越君は自分のプロポーズを歌にして熱唱する。
「苦労をかけるかもしれないけど~
せいいっぱいー働いてー 君のこと幸せにするから~
どうかぁ~ 僕と どうか~~僕と けっこーーんしてーくださーーいぃ~~♪」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (‐д‐)
聴いた瞬間、
私と友だち、椅子からずり落ちんばかりにドン引き。
うわー。
今回もやっちゃったよ、キムシン。
歌詞センスがひどいのにも程があるよ。
メロディ自体は決して変じゃないんだけど、
歌詞が合わさると、どうしようもなく安っぽい歌になる。
聞いてて恥ずかしい。
あまりの恥ずかしさにむずがゆくなり、耳をふさぎたくなった。
コレに曲をつけた作曲家も頭を抱えただろうなー。
前回の『暁のローマ』での
「あいしてる~ あいしてる~ どうしようもなく~ ・・・
あいっ あいっ あいっ あいっ あいっ・・・・」
「おおものよぉぉぉ~~」
などにも引いたけど、今回もひどい。
熱心に歌う波越警部に唖然としていると、
その歌を聴いた葉子が感動して、
「どうして誰も私にそう言ってくれないのーー!」と泣き出す。
いやー。
こんな安っぽいプロポーズだったら、言ってもらわない方がいいでしょ。
目を覚ませ。葉子。
●第7場 追跡(街の枠前・2台の自動車)
街の背景幕の2ヶ所に同じ背景の絵の板を立ててその空間を隠しておき、
板をスライドさせることで隠れていた空間が見えるという手法は、
意外性があってとても面白く、いい方法だと思ったが。
まさか、その空間に
やたらとガタガタ揺れる張りぼての車(正面から見た絵柄)と
それに乗る明智さんたちという、間抜けな図があるとは・・・。(驚愕)
もう、それはそれは素晴らしい悪夢のような光景でした。
ていうか、何かの冗談?
私は文章力がないので、この凄まじさをうまく伝えられないのが残念。
せっかく、背景板のスライド移動という
横の動きをうまく利用した立体的で全体に動きのある空間になりかけていたのに、
出てきたのが、平面的で安っぽい コ レ じ ゃ あ ね ぇ ・ ・ ・。
宝塚の大舞台で、しかもシリアスなシーンで、この大道具はないだろー!!
張りぼて車は、コメディシーンでしか使えないでしょー!!
2000年の雪組公演『凱旋門』の本物そのまんまの車とか、
1998年のバウホール『凍てついた明日』での座席とハンドルのみの車内表現とか、
他の先生たちのうまいやり方を見習おうよ・・・
上手の板がスライドしたなーと思ったら、
明智さんたちが車に乗っていて、平然と歌いだす。
揺れることなく普通に座って歌う明智さんたちの下で、
車は狂ったかのように揺れまくり、
車の下から出ている車線は白橙と交互に上へ流れていく。
(これで明智さんたちも一緒に揺れていたら、妙にリアルで感動しただろうけど。
でも、揺れすぎて歌えないよね。 笑)
また、この車線がぺろぺろキャンディーの棒そのまんまで、
見た時は一瞬、
『ぺろぺろキャンディー棒に刺さった車。
そして、それに乗っている明智さんたち』
だと勘違いしてしまった。
ていうか、どうして車線が車の真ん中を通っているの?
普通、車の両脇を車線が通っているはずでしょ?
車線をど真ん中にまたぐなよ・・・
せんせぇーい。道路交通法の違反車両がここにいまーす。真ん中の破線?いや、だったら、白と橙の色ではないでしょ。
(ひょっとしたら、昔の車線ってこうなのか?)
上手側だけでなく、下手側にもこの車が登場した時には、
あきらめの境地。
やっぱり、
下 手 側 の 板 も ス ラ イ ド し ち ゃ っ た か ・・・orz
上手に明智とハンドル切りすぎ波越警部、下手に黒トカゲと脇見運転雨宮くん。
~WITH ぺろぺろキャンディー棒に刺さった張りぼて暴走車~
あ、、、、あんたたちーーーー!!! (ノT▽T)ノ彡┻┻¨
第1話 『キムシンと不愉快な観衆たち』。
次週、第2話 『暴走車の明日はどっちだ!?』
●第8場 黒トカゲの船
変装して黒トカゲの船に乗り込む明智と、
それに気づかない黒トカゲとの駆け引きのシーン。
まず思ったこと。
黒トカゲは変なおじさんに変装した明智のことを「松公」って呼んでいるけど、
松公って、誰よ?
え。いつ、どこで、そんな人がいたっけ?
パンフレットを見ると、「船員の松公に扮した明智」と書いてある。
あー。船員の松公という人に明智さんは変装したのね。そうかそうか。
で、前のシーンとかで、松公って出てたかなー。
・・・あ。全然登場していないんだ、松公って。そうかそうかそうか。
わかりにくいって。
せめて、『松公』に変装するんだったら、松公をどこかのシーンで出しておこうよ。
そして明智さんが松公を捕まえる様子を、少しひっそり見せるとか。
じゃないと、松公になった明智さんじゃなくて、
変な服を着たヒゲを生やしたおじちゃんに化けた
見るからに怪しさ大爆発な明智さんが、無謀にも敵地に乗り込んでみちゃった的な
間抜けな状況に見える。
ていうか、誰かに変装する時に、その変装する相手を出しておくのはお約束でしょ。
それにしても、終演後にパンフレットの場面ごと解説を読んでも
「え?誰??」って思わせてくれる変装なんて、なかなかないと思う。
●第9場 黒トカゲの隠れ家(楽園)
くろとかげさんのおたくは、このよのらくえんらしいです。
・・・全体的に、ちょっとしたショーの一場面みたいな舞台が展開されていて、
華やかな娘役さんたちが踊っているんだけど、
内容が地味。
ああ、やっと歌と踊りに満ちた華やかなシーンが観れるのかと楽しみにしていたけど、
歌も踊りも地味。
衣装は、まぁ好きな部類かな。よく覚えてないけど。
あと、鈴懸さんの悩殺魅惑ダンスは大好き。
でも、地味な内容だから、楽園なのに全体的にどこか暗い印象を受けた。
戦争で一人になった人たちを集めたっていう背景を考えて、
わざとそんな雰囲気にしたのであれば、なかなかうまい。
けれど、どっちにしても、宝塚の踊りや歌を感じたい私からすると、
「楽園=ショー=素敵で華やかな世界♪ じゃないのかよっ!!」
というように、欲求不満で苦しめられることになった。
●第10場 黒トカゲの隠れ家(牢獄)
「私に愛されなかったあなたは、私を必ず裏切ることになる」
という黒トカゲ様の妙な理屈によって、牢獄に入れられることになった雨宮君。
捕らえられていたニセ早苗(本名:葉子)との牢獄での出会い。
ひたすら飢えていた結婚願望の強い葉子さん。
今回、その欲求が牢獄という密室で爆発した。
第3場くらいのホテルにて、黒トカゲが早苗に変装するために、
ニセ早苗である葉子の服を雨宮くんが剥ぎ取ったらしいのだが、
葉子さん曰く、
「あの時、私を眠らせて服を脱がせた後、
そっと毛布をかけてくれた優しさに惚れた」(要約)
らしい。
・・・毛布を掛けるのは優しいかもしれないけど、
あんた、その前に脱がされていますから。
自分が眠っている間に服を脱がせた相手に惚れるなんて、
血迷うにも程があるぞ。葉子。
雨宮くん、突然の告白に戸惑っていたけど、
そりゃあ、こんな変な思考の持ち主は、引くね。
でも、何としてでも雨宮くんと結婚したい葉子さん。
「刑を終えるまで、ずっと待っているから・・・」
と言って、必死に押しまくる。怖すぎるって(涙)
あまりの気迫に恐怖を感じたのか、
その後あっさり結婚にOKする、情けない雨宮くん。
いや、狂気の葉子を相手にしたのでは分が悪すぎる戦いだったよ。どんまい。
で、
その後の雨宮くんですが、
なんと、
例の名曲、『プロポーズ(雨宮くんバージョン)』を熱唱。
雨宮・・・あんたもか!! 葉子の呪いや勘弁してくれ orz
何とか、歌い終わったかと安堵のため息をついていると、
葉子さんが言います。
「もう一度聞かせて!」
いやいやいやいやいやいや!!!
そのリクエスト、絶対いらないから。
で、もちろんそのリクエストにお答えした雨宮くん。再びサビを熱唱。
や め て ぇ ~~~~ (TдT)
●第11場 黒トカゲの隠れ家
黒トカゲの前に、松公の変装を解いた明智さんが現れ、
全ての謎と事件解決の種明かしをする。
そして、明智さんは黒トカゲに「愛している。結婚してほしい」と告白。
もちろん、
『プロポーズ(明智バージョン)』を熱唱で。
どうやら、追い続けている内に、
黒トカゲへのときめきは、彼女への深い愛へと変わっていたようだ。
しかし、葉子も明智もプロポーズが突拍子もないなー。
「愛している」止まりじゃないからね。結婚の申込みまでしちゃうからね。
相手の思いも確かめずに、いきなり「結婚してくれ」って自分の想いを押し付けるんだから、
迷惑な話だよ。
その告白には、ロマンのかけらもないね。
そして、そのプロポーズをあっさり受け入れる雨宮くんと黒トカゲもどうかしてる。
しかも、『プロポーズ(明智バージョン)』では、くどくどと一方的な熱い歌詞の後で、
最後の「どうか僕と~どうか僕と~どうかケッコーーンして~くださいぃ~♪」が
3回繰り返し歌われるからね。
さすが、明智バージョン。非常に鬱陶しい告白に仕上がっています。
これぞ、『プロポーズ』の集大成★(もぅ、好きにしてくれ・・・)
しかし、度肝を抜かれましたよ。
まさか、明智さんと黒トカゲが兄妹の関係とは。
ここまでくると、もう、メチャクチャやな。
明智さんが黒トカゲに渡した大切なものによって、
2人が戦争によって、引き離された兄妹だったということを黒トカゲは知ってしまう。
黒トカゲ「戦争さえなければ・・・」
私「キムシンが宝塚の演出家でなければ・・・」
そして、黒トカゲは銃で自殺する。
ええええええ。 こんな唐突な展開、アリ?
プロポーズもそうだが、終盤は何もかもが唐突すぎる。
いろんなことをあっさり唐突に展開させすぎでは?
結局、戦争反対のメッセージを伝えるために、
こんな時代背景と設定にしたのか。
宝塚を自分の主義主張メッセージの媒体にするのは、いい加減やめてほしい。
●第12場 エピローグ
黒トカゲが死に、悲しみに暮れる明智さんの周りに、
何故か登場人物全員集合。
ぞろぞろぞろーっと、下手上手の袖から出てくる。
・・・ええっと・・・。
そんなにたくさんの群集を舞台に出したいんですか。キムシン。
ここは、明智さんが独りで暗い中、寂しくスポットを浴びて歌っていた方が
明智さんの悲しみや絶望感が出ると思うんですが。
要は、ぞろぞろ出てきて無表情にコーラスする皆さんは、邪魔なんですって。
しかも、明智さんが奥の方にいて、群集が舞台前方にいるって、
完全に配置間違えてるでしょ。逆ぎゃく。
明智さんの存在が、群集に埋もれちゃってる。
お願いだから、明智さんを一人にさせてあげて。
もし、どうしても、何としても、群集を舞台に出さないと気が済まないのなら、
せめて小林少年に「明智さん、事件です」と言われて、
事件に挑む決心をしてからにした方が、いいのでは?
そうしたら、その言葉によって甦り、新たな事件に向かう明智さんが映えるのに。
(と、勝手に演出してみる。 笑)
結局、ほとんどの場面について、だらだらと書いてしまった(汗)
生徒さんや役についてだが・・・、
作品がコレなので、あんまり語りたくない。
少しだけ、何人かをピックアップする。
・明智小五郎(春野さん)
やっぱり、歌がうまい。
銀橋のソロでは、春野さんの歌の世界に引きずり込まれる(笑)
おじさま的な役がとってもお似合い。
・黒トカゲ(桜乃さん)
原作よりも、かなり若い年齢設定・・・らしい。(やはり、明智の妹という役どころにしたかったからか?)
しかし、熟女なのか若いのかがよくわからなかった。
私には「若手の桜乃さんが背伸びして、頑張って熟女を演じている」ように見えた。
ていうか、そもそもキムシンが役の設定をしっかり作れていないのが原因か。
・雨宮くん(真飛さん)
あんまりもしゃもしゃの髭面は好きじゃない。
というか、スターの中でもしゃもしゃの髭が似合ったのは、麻路さんくらいか(笑)
・波越警部(壮さん)
ハンドル、そんなに切らなくていいと思うよ(笑)
・小林少年(桜一花さん)
多分、今回一番ていうか、唯一の美味しい役どころ。
とってもかわいらしい。
ていうか、めちゃくちゃコナンっぽい。
(コナンな小林少年といい少年探偵団といい、『コナン』のネタとしか思えない(笑)
でも、ひょっとして逆なのか?江戸川先生の作品から、『コナン』が少年探偵団とかのネタを盗んだのかな?)
小林少年以外には、特に魅力的だった役はない。
(前回の『暁のローマ』も上から下まで、魅力的な役いなかったしなー。
ていうか、トップの瀬奈が最高にどうしよーもないヤツだったし)
全体的なことでは、
相変わらず、4番手以下の光る若手たちが
その他大勢級の下級生の中に埋もれてしまっているということも、頭が痛い。
生徒の使い方が下手すぎるよ・・・
ストーリー構成や演出としての問題点には、相変わらずのキムシンぶりを感じさせてくれる。
・単調で一本調子。
・感情表現が極端でやかましい演出。繊細な心ひだの表現がない。
・役にキムシン自身の考えや思いを押しつけている。
(今回のキムシンからのメッセージは、「戦争はいけないヨ★」)
しかも、その主張がくどすぎる。
・上記の理由もあり、セリフ・歌詞などの言葉がとてつもなく安っぽい。
「戦争は終わったーーー♪」「平和にーなったー♪」て、
聞いてるだけでイライラするんですけど。しかも、しつこく何回も言うし!!
あと、「男を知らない純潔な女」みたいな発言が所々にあり、気持ち悪い。
あんまり、そこにこだわらなくても、いいのでは?
ていうか、わざわざそんな性的な話を出す必要性がワカラナイ。
本当にいろいろと書かせてもらったが、
ひょっとしたら作品自体がそこまで崩壊しているわけではないのかもしれない。
歴代のキムシン作品に比べたら、まだマシな方かもしれない。
でも、宝塚の舞台にはそぐわない内容&空間の使い方だということは
間違いない。
そして、何より悲しかったのは、周りの反応。
何故か、「面白かったねー」という人たちが多かった。キムシンの回し者か?
そんなに、面白かったかなー・・・・(滝汗)
生徒さんだけを観たいのであれば、そりゃあ作品なんてどうでもいいかもしれないけど・・・
私としては、もっと完成度の高いものを作っていってほしい。
でないと、観劇側の感覚が麻痺してしまう。
でも、面白いという感覚は人それぞれだから、私がとやかく言う必要はないッスよね。
もちろん、生徒さんたち個々の姿を見ていれば、嬉しさや面白さを感じることもある。
でも、作品全体を観た時には、あまりそれが感じられない。
生徒さんたちが頑張っているのに、その生徒さんたちの輝きを作品で表してくれないなんて、
どう考えてもひどいと思う。
とにかく、
宝塚にキムシンはいらない。